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花sakuブログ

和の生活マガジン『花saku』12月号 安田多賀子のカンタンきもの宣言 もっと楽しく、もっと自由に
2020年11月20日

こんにちは。
人手不足で「しゃかりき」が続いていて、ブログを更新する時間と気力、体力がなくなってしまい、更新をサボっていました。
なのですっかりご無沙汰をしてしまいました。

編集部は春からずっとテレワークが続いています。そんなわけで先ほど、校正紙をコンビニへスキャンしに行ったら半袖のTシャツ姿の人がいました。11月も終盤。二十四節気では小雪が目の前まできているというのに、小春日和を通り越して夏日も観測されています。そんな中、今日は春一番のような南風が吹き荒れています。砂埃がスゴイ!

 

地球はどうなってる?

それでも、季節は移ろいますネ。
朝の散歩で、ギンナンをたくさん拾って夜の晩酌でいただきました。ちいさな幸せを美味しくかみしめました。
コロナウィルスの感染拡大は、第三波という予測不能の恐ろしい局面を迎えていますが、一方でGo toで、紅葉狩りに出かける友人たちもたくさんいて、「人」は、どんなときも、楽しいことや、面白いことを探せるのだと、少し力が湧いてくるような思いがしました。


さて、そんな中、12月号を発行することができました。

感無量です。
近頃はもう、発行日ごとに感無量。
なにせ、今年に入ってから取材ができない、ロケもできないという未曾有の経験の中、直前までテーマや内容が決まらないまま、ものすごい勢いで月日が過ぎていきまして、心身共にドタバタしておりましたが、『花saku』創刊当時からずっと力を貸してくださっている大好きな安田多賀子先生が今回もまた、大きな力を貸してくださいました。

 

第二波の8月頃に、岐阜の装賀きもの学院の安田多賀子先生に電話をかけて、3月号で終刊になることが決まったから、最後に先生の特集をしたいんだと伝えて、先生の子どもの頃から今までの写真を全部載せて、きものの歴史をたどるのはどうか? なんて言うと、私よりも20歳ほどお姉さんの安田先生が、「直子さん、それもいいけど、過去なんか振り返ってもしょうがないから未来のことをやりましょう」とさらりとおっしゃる。(かっこよすぎます)

安田先生が、25年くらい前に開発した対丈のきものを、未来へ向けてもう一度発信しようということになって、それからがもう、大変。キャスティング、ロケ地の手配、撮影商品の準備など、何もかも安田先生がものすごいスピードで進めてくださいました。私はもう、かなり後ろを送れて、ヒィヒィ、ぜぇぜぇ言いながらついていくのがやっとこさ。仕事のできる女ってこういう人を言うのね〜〜。男女雇用機会均等法とかダイバーシティとかつべこべ言う前から、できる女はできるんですっ!

ちょうど、「ステイホーム」といわれはじめ、テレワークとか、おうち時間とか、ガガガガガーーーっと世の中が変わっていく中、ファスナーもボタンもない、袖ぐりもキツくない着物は、確かに自宅でくつろぐには最高の衣服かもしれないな〜なんて思い始めていたときだったので、もう、ビビビッビビッビーーーーと岐阜から千葉(私の自宅)へとテレパシーが飛んできました。

 

ちなみに岐阜のマンホールは鵜飼いです(笑)

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衣装から、ロケ地の申請から、何から何まで猛スピードでやってくださっている中で、「直子さんとカメラマンのホテルはどうする?」なんて、私たちのことまで心配してくれるので、「はい、それは自分で」とか言いながら、結局ホテルをとっただけの私。息の合うカメラマンなので、気軽な小旅行みたいな気分で久しぶりの新幹線にルンルン……のはずが、予報が台風! OMG!

土砂降りの中、岐阜へたどり着くと、大河ドラマ「麒麟がくる」で大盛り上がり(だったはず)の駅。ポスターや幟、記念館の案内などがちょっぴり淋しそう。オリンピックの来日客まで見込んでいたんだろうな〜という気合いを感じるの割に人が少ないというギャップと、明日の天気の心配で、もやもやとホテルへ前入りして、雨で曇る金華山を眺めていました。
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翌朝、カーテンを開けると「なんじゃこりゃぁぁあ〜〜」のピーカン。

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青空が広がり、昨日の雨で洗われた街がすがすがしく清められていました。もちろん、私は、ロケで雨に降られたことがほぼない、「天照らす」の異名をとる晴れ女ですから大丈夫だとは思っていましたが、こんなに晴れるなんて、やっぱり安田多賀子先生のパワーってすごい。

そして、完璧な準備ができた学院へ行きますと、裏方さんやモデルさんたちがせっせと準備を進めていました。裏方さんたちの動きがまた、すごいんです。気配り軍団、気働き族、装賀きもの学院。
そして、足りないモノは言えば何でも出てくる不思議な倉庫もお持ちでした。

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この、おはしょりのない対丈の「装賀キモノ」は、本当によく研究されいて、装賀きもの学院を創立する前は、呉服屋さんの仕立てを請け負っていたという安田先生だけあって、着付けだけでなく、仕立てのノウハウもすべて持っているからこその創意工夫がいっぱい。それを誌面でどれくらい表現できるのか? が、私の課題でした(ドキドキ)。

構造や、工夫や、アレンジや、シーンを、限られたページの中で伝えるために、沢山のモデルさんが、自前のきもので集まってくれました。

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今回スタイリングはすべて安田先生が担当。

ブログだけの特別公開(ヤンキー座りもできる安田多賀子先生の身体の柔軟性にビックリ)

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1年くらい前にご一緒したときは、ひざを傷めていて曲がらなかったんです。

が、リハビリをしてこんなに楽々と!!

何から何まで若い! すごい! アチコチ痛い私ですが、言いにくくて言えませんでした。


さて、このおはしょりのない着物。

着付けにかかる時間と手間が短縮される……というより、洋服を着るのと同じように着られると言ったほうが自然でしょうか? ちゃっちゃっちゃと着られるんです。おまけに、11月に半袖姿がいるような、温暖化が進む中、おはしょりのところ、一体何枚重ね着したことになってるのでしょうか? なかったら涼しいかもしれないし……。

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(ロケ風景)



そして、時短だけでなく体形をカバーする工夫や、動きやすくする工夫、着姿が美しくなるための工夫が細部にわたってなされているところが、25年前に開発されたものでありながら、今こそ、未来へ向けて発信しなければならないきものかな〜と確信できる瞬間がたくさんありました。

特集を読んでいただき、おうち時間を着物で過ごしていただくのもいいですし、手持ちのきものを装賀きものに直したり、羽織コートに直す着物を選んだりしながら、たんすの中を整理するのもいいですね。たんすの中がスッキリすると、気分もきっとスッキリします。無理に断捨離するのではなくて、上手な生かし方を工夫するって、本来日本人が昔からずっとやってきたこと。

特に、風呂敷をワンタッチ帯に替えるなんてもう、本当に今すぐやりたい工夫ですよね。安田多賀子先生は、普通のきものも洋服のようにチャッチャと自分で着ますけど(当たり前だ)お家で家事をするときは、対丈きものにワンタッチ帯だそうですよ! ワンピースがあったりスーツがあったりルームウエアがあったりって、洋服でもTPOによってごく自然におしゃれを替えてますよね。着物もそれでいいんですもんね。そんなことをたくさん学ばせてくれた12月号。

とうてい間に合うとは思えなかった12月号の発行が間に合って、しかも、ものすごい知恵とエネルギーが詰まった号になったのは、本当に安田多賀子先生やスタッフの皆さまのお影だなぁと、このご縁と奇跡に感謝するばかり。本当にありがとうございます。おうちで着物で過ごしたり、着物の入り口のハードルがもっと低くなったり、身近になったりすることを心から願っています。

 

津軽笛奏者の佐藤ぶん太さん


そして、ご縁と言えば……きものとわたしに出ていただいた津軽笛奏者の佐藤ぶん太さんです。私が佐藤ぶん太さんの演奏を始めて聴いたのが去年の6月のこと。友人が、北本太鼓まつりへ招いてくれたのです。私の友人は北本で笛を吹いているのでこの日も出演。それを指導してくださっているのが、津軽の佐藤ぶん太さんだったというご縁で(分かりにくいが分からなくても問題ない 笑)……、そのときの演奏に一目惚れ。ん? 目じゃなくて耳? ま、それはどっちでもいいとして、とにかく感動! 絶対にまた聴きたい〜と思っているうちに、イベントやコンサートなどは軒並み中止になっていったので、せめて誌面でとオファーをしたところ、快く引き受けてくださったというわけ。
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そしてこのコーナーを担当している記者も、26年間弘前に暮らした、津軽愛の申し子。
ご縁は次から次へとつながっていくのですね。いつも、見えない力に支えられている、とても運の良い私です。

 



手芸はクラッチバッグの作り方をご紹介

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こういう小さなかわいいポーチやバッグって、女性はすごく好きですよね。
引っ越しをするので断捨離をしたのですが、まぁ〜〜〜出てくる出てくる。
たくさんもっていてもまた欲しくなるのがこの類いです。

私は、袋フェチかもしれない。

伯母に一人、バッグフェチがいるから遺伝かもしれない(悩)

 

で、このコーナーを担当しているのは、元パタンナーで、今プランナーという職業(肩書き?)が韻を踏んでいる、後輩の佐藤静子が担当しています。佐藤は手芸がと〜っても得意ですごく器用。そして、何よりもセンスがいい。おしゃれな美人さんです。

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(横を向いてしまいました〜〜)

実は、このポーチ、その佐藤静子が私の誕生日に作ってくれたモノで、私の大切な大切な宝物なのです。
どんなにボロボロになっても、絶対に一生使い続けたい一番大切なポーチです。
へこたれそうなときはこのポーチを見て、めっちゃ頑張り屋さんの佐藤静子を見習わなきゃと思うことにしていいます。

 


愛を育てて


そして、歌舞伎職人片岡亀蔵さんの奥さまの明美さん。
このワンピースが撮影用で送られてきたときに私は、その美しい色に魅せられながらそぉ〜っとワンピースを広げると……「小さい」

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(笑)元テレビ局のキャスターさんの、スレンダーで美しい奥さまのワンピースというのは、こういうサイズなのだな〜〜としばし、時が止まりました。


実は、コロナウィルスの感染拡大で歌舞伎の上演もできなかった春から、愛を育てて……いや、藍を育てていらして、サワサワと風に揺れる愛のパワーで、いや、藍のパワーで、ご家族は皆、健やかに過ごされていたのだとか。そして一鉢分けていただいたのですが、我が家のベランダは、陽当たりが今ひとつだったせいか、敢え無く枯れてしまったのでした。明美さんごめんなさい。来年こそ、育てます!



野々花染工房



野々花染工房の豪一さんの「語り」がたまらなく好きな私ですが、

あ、いやいや、作品も大好きなんですよ。それが大前提。そして、ブドウ蔓のバッグや財布も大事に育てています。その、野々花染め工房さんの作品の中でもとくに好きなのが茜と紫紺。この色はコレよりも好きな赤はない。コレよりも好きな紫はない。という私にとっては極上の色なのです。
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他にも、見所満載の12月号。薄くて軽いペラペラの雑誌ですが、おうち時間が楽しくなること間違いなしだと思います。

 


お手にとってくださる方が、読んで良かったと思えるページがありますように。


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