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かんたんお手入れ

着る前、着た後のお手入れ方法やかたづけ方、着物のトラブルの解決法など…。
お手入れに関する色々な悩みは、ここで解決できます!

お手入れと収納

着用前

着用前には、天気予報などを確認した上で必要なものをすべて整え、変な畳シワがないかどうか? 半衿は付いているかどうか? などを確認しながらコーディネイトをして、出がけに慌てないようにしたいものです。


着用後の始末

脱いだ後きもの、帯、長襦袢は和装ハンガーや衣桁にかけて一晩程度陰干しをして湿気をとります。シミや汚れの点検も忘れずに! もしシミを見つけたら一刻も早く専門店へ持っていきましょう。

・帯は温もりのあるうちによく叩いてシワを延ばしておきます。


陰干しが終わったら畳紙に包んで箪笥に収納します。
ウールは虫に注意しましょう。
絹は、防虫剤よりも防湿剤に気を遣います。防虫剤、防湿剤は混合すると化学反応を起こしますので一種類に。金銀箔、金糸、銀糸は防虫剤に反応して変色することがありますから注意します。


脱いだ草履も、湿気を取るために一晩立てて陰干しを。柔らかな布で汚れを落とし、エナメルは専用のクリーナーで拭いておくと良いでしょう。


足袋は古歯ブラシなどで汚れのひどいところをこすって。肌襦袢などは洗濯機で洗う場合はネットを利用しましょう。

シワを作らない、きもののたたみ方



[1]きものを着た後は、一晩陰干しし湿気を抜いておきます。それではたたみましょう。衿側が左に、裾側が右になるようにきものを広げます。
[2]手前の身頃の脇縫い線を向こう側に折ります。

※きちんとのコツ
このとき両手の平を裾の方向に動かしながら、中に入っている空気を抜きます。

空気が入ったままたたんでしまうことがシワを作る一番の原因となります。
[3]たたんだ身頃をおくみの縫い目で手前に折り、空気を抜きます。
※きちんとのコツ 
衿は、衿肩開きの位置を頂点にして、きれいに三角に折ります。
[4]向こう側のおくみを手前に持ってきて、衿下線にピッタリと重ねて空気を抜きます。
※きちんとのコツ 
衿は、3と同様に衿肩開きの位置の角を頂点にして三角に折り、3と重ねます。
[5]向こう側の身頃の脇縫いを持ち上げ、
手前の身頃の脇縫いに重ね、空気を抜きます。袖は重ねます。
[6]上になった左袖を袖付け線で折り返します。
[7]衿先の位置で、裾を折り上げます。
※きれいのコツ 
折り上げたときに裾線は肩線の少し手前の位置に。ぴったり重ねてしまうと部分的に厚みが出て、シワの原因になることがあります。
[8]袖付けと振りを持って、右山袖をきものの下に折りたたみます。
★秘伝! きものを運ぶときのコツ 
裾側から1/3ほど折って両手で持ちます。
さらに衿側を折れば、片手で持ち運んでも崩れません。
[9]たとう紙に入れます。長く着ないときは、袖と身頃の段差のある所に紙を入れておくと、シワが防げます。
※困った
たとう紙よりもきものが大きい!
そういうときのために、たとう紙には四隅にマチが付いています。
たとう紙のサイズよりもきものが大きい場合、マチの折り方を変えて、たとう紙のサイズを調節します。




長襦袢編
[1]衿が左側に、裾が右側になるように長襦袢を広げ、手前の脇縫い線で身頃を折ります。
きちんとのコツ きものをたたむときと同様に、手の平をウエストから裾に向かって移動させながら空気を抜きます。
[2]向こう側の身頃も脇縫いで折りたたみ、空気を抜きます。
[3]背縫いの位置を確認し、手前の脇縫い線を持って袖ごと背縫いの位置にまで折りたたみます。
[4]上になった袖の袖口を、折った線にまで折り返します。
[5]向こう側の身頃も同様に、脇縫い線を背中心にまで折り、袖口を折り返します。
[6]身丈を半分に折りますが、裾が衿に重ならないように4~5センチ手前に裾線が来るようにします。
きちんとのコツ 三河芯などの芯を入れたままたたむ場合は、衿が浮いていますので、その空間に写真のように、綿や新聞紙を紙で巻いたものを作って入れておきます。
秘伝! 「旅行に持って行く場合は、帯枕を入れておくといいですよ!」




シワを作らない、帯のたたみ方


飛び柄の名古屋帯編


[1]手先をじゃばらに折り、三角の折れ線に合わせて折り、お太鼓の柄の上に前帯の柄が乗るようにします。
[2]たれ先の少し手前で三角に折って返します。
[3]余った手先は、1の三角の底辺から少し手前で折り返します。
[4]1の三角を折ります。
半分に折りますが、前帯の柄に折れ線が来る場合はずらします。
※きちんとのコツ 
「きもの枕」を使えば、柄の折り目は気にしなくても大丈夫です。





六通柄の袋帯編


[1]こうした金糸、銀糸が織り込まれた帯は、中表にたたんだほうが柄が傷みにくくなります。
※きちんとのコツ 
さらに、柄と柄が中表でくっつくところには、障子紙などの紙を挟んでおくといいでしょう。
[2]半分に折り、両端をそろえます。
[3]もう一度半分に折り、輪の部分と両端を重ねます。
[4]向こうの輪をさらに半分に折ります。

※きちんとのコツ 
折り目になるところに『きもの枕』、または白い紙を巻いたものなどを入れておくと、折り筋が付くのを防げます。




飛び柄のおしゃれ袋帯編
[1]柄が中表になるように帯を置き、柄の部分に紙を置きます。
[2][1]で紙を置いたところに、ちょうど前柄が来るように折ります。
[3]あとは、紙を当てた所に折り目が付かないように両端を折っていきます。
[4]柄の部分に折り目がないので、『きもの枕』は不要です。


袋名古屋帯編


[1]太鼓柄が上になるように帯を置き、
前柄をその上に乗せるように折り返します。
[2]たれ先の端のところで折り返します。
[3]お太鼓の頭のラインを確認し、その位置から折り返します。
[4]もう一方の側も折り返して、
3と付け合わせ、厚みを均等にします。


羽織編

[1]衿が左側に来るように羽織を広げたら、脇のマチの中心を折ります。
[2]手前の衿を衿付け線で折り、羽織紐を真っすぐにします。
[3]左右の衿を重ねます。
きちんとのコツ
きものと同様に両衿肩開きの位置を頂点に三角にきれいに折って重ねます。
[4]両脇にあるマチの中心線同士を合わせ、袖も重ねます。
[5]上になった左袖を袖付け線から折ります。
[6]袖付けと振りを持って、下の右袖を羽織の下に入れ込みます。丈がたとう紙より長い場合はたとう紙の長さに合わせて裾を折り上げます。

コート編



[1]衿が左側に来るようにコートを広げ、左右それぞれの脇縫い線に合わせてたたみます
[2]手前の脇線を背中心の少し手前に来るようにたたみます。
[3]袖は、袖口が2の折れ線に来るように折り返します。
[4]向こう側の身頃の脇線も、手前の身頃と対象になるように背中心の少し手前にまで来るようにたたみ、袖口は折り返します。
[5]裾をたとう紙の長さに合わせて折ります。
きちんとのコツ たたみ終わったときにきものの幅と同じぐらいになっているのが理想です。


衿芯・半衿の縫い方



バイアス衿芯


[1]バイアス衿芯をニ枚準備します。一枚は、半衿と同じ長さのもの、一枚は22~23センチぐらいの長さのものです。
[2]1のニ枚を中心で合わせます。
[3]慣れていない人は、ニ枚の端を粗く縫い合わせておきます。
[4]長襦袢の表側の衿に、衿芯の短い方が下になるようにして背中心どうしを合わせます。このとき、衿芯は、長襦袢の衿付け位置から2~3ミリずらします(この2~3ミリあけたところに半衿を縫い付けることになります)。 
[5]2~3ミリずらしたまま、まず背中心に待ち針を打ち、両衿肩回りに等間隔に待ち針を打っていきます。
[6]端からしつけのような糸目で粗く縫い付けていきます。
[7]端から端まで縫い終わりました。
[8]長襦袢を裏に返し、短い方の衿芯を折ります。
[9]衿付け位置から2~3ミリの位置で、衿芯をカットします。
[10]次に長い方の衿芯も折って、衿肩回りの範囲のみ、衿付け位置から2~3ミリの位置で両端をカーブさせてカットします。
[11]背中心を合わせて待ち針を打ち、衿肩開きの範囲に等間隔に待ち針を打っていきます。
きれいのコツ 
こんなふうに衿の丸みをつけながら待ち針を打つと仕上がりがきれいです。
[12]衿肩開きの範囲をまず波縫いします。
速くのコツ 
バイアス衿芯は少し固いので、針を垂直に押していくのがコツです
[13]衿肩開きを波縫いしたら、長い方の衿芯を端まで折って、しつけぐらいの間隔で端まで粗く縫い付けていきます。