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きものの種類

きものは染めと織りのきものに分けられます。
染の方が織よりもフォーマルとされ、紬などの織のきものは普段着として着用されるのが一般的です。 帯は逆で、織の方が染よりもフォーマルとなります。

 

 
織のきもの
1. 紬 2.御召
3.木綿 4.麻 上布

染のきもの

糸を染めずに白いままで布に織り上げ、その布にさまざまな技法で模様を染めるきものを「染のきもの」といいます。
後から染めるので「後染」とも言います。

 

1.小紋

 

模様の大小に限らず繰り返し柄の型染めを施した、着用機会の多いきものです。
色柄によって、華やかな席にも、観劇、コンサート、 パーティーやショッピングと、コーディネイトによって着用範囲の広いきもので、ワンピース感覚で楽しめます。
ごくまれに手描きの小紋もありますが、たいへん高価なものになります。
生地は、縮緬、綸子の他に紬に染めたものもあります。


ワンポイント小紋というだけに、小さな柄のきものかと思いがちですが、型染めの繰り返し模様であれば、柄の大小にかかわらず、すべて小紋と呼びます。
小紋というととても華やかな印象ですが、紅型、藍型、更紗、絞り染め、臈纈染めなどの技法で染められたものもあります。
飛び柄小紋

別名飛び小紋ともいい、単純な同一模様をきもの全体に飛び飛びに配したもので、無地場も多いしゃれ感の強いきものです。
付下げ小紋

付下げと小紋の中間の柄付けのものをこういいます。
全体に繰り返し柄が配されていますが、柄がすべて上向きになっているもので、 模様は上前でつながって前身頃も後ろ身頃もすべて柄は上を向きます。


江戸小紋

小紋の中で、特に極模様の型染めで基本的に一色染めのきものは江戸小紋として分類されます。
型染めで、糊で防染された部分は模様が白く染め抜かれています。
型は別として、染めは分業せず最初から最後まで一人が行います。
もともと江戸時代の武士の裃でそれぞれの藩が定めたところから発展しました。
一つ紋をつけ、袋帯を締めれば略礼装として活用できます。

ワンポイント小紋型で染められたこれらの柄が「江戸小紋」と呼ばれるようになったのは近年のことです。
小紋三役
行儀小紋(ぎょうぎ)
格調ある模様で整然と斜めにまっすぐ点が並ぶことから行儀小紋と呼ばれます。
角通し小紋(かくどおし)
細かい正方形を縦横正確に連ねた模様
鮫小紋(さめ)
鮫の皮のように一面に微細な点を白抜きにしたもの

その他代表的な柄
霰(あられ)、菊菱(きくびし)
京小紋

友禅の大量生産が望まれ、写糊が開発された明治時代に、一色につき一枚の型紙が作られるようになり、型友禅の発展と共に京小紋が広まりました。
明治時代の終わりから大正・昭和初期まで若い女性の心を魅了し、一世を風靡しました。
京都の染織は「分業」が特徴ですので、 この型友禅による京小紋も多くの職人の手を経て作られます。

紅型・藍型
琉球王朝に伝わる型染めで、型を彫る(突き彫り)から染色まですべて一人で行うのが特徴です。
紅は色を意味し、型は模様を意味するため、紅一色ではなく、南国の陽射しに負けない強く明るい色合いが印象的な染めです。

 

 

2.色無地

紋意匠縮緬(もんいしょうちりめん)や文綸子(もんりんず)などの生地に黒以外で一色染めにした無地のきもので、同色の裾ぼかしも色無地の一種です。

一つ紋を付ければ格が上がり改まった席の装いに最適な略礼装となります。
色無地には、染め抜き紋を付ける人もいますが、中には菅繍や相良縫などの縫陰紋を付ける人もいます。

袋帯を合わせれば茶席や式の装い、寒色系の無地(地紋のないタイプ)に黒名古屋帯を合わせれば通夜や法事に、コーディネイトによってはコンサートやお茶会などにも着こなせるきものです。
 

 

3. 訪問着

訪問着は、胸、肩、袖、裾などに模様がつながるように染めた絵羽と呼ばれる柄のあるきもので、生地は一越縮緬、紋意匠、夏には絽など、最近ではおしゃれもので紬地も。
色留袖の次に高い格を持ち、儀式やパーティーなどに着用できる華やかで上品なきものですが、紬地のものはパーティーなどに適しています。

どこかを訪問するためのきものと思われがちですが、大正時代に洋装の文化がどんどん広まっていく中で「ビジティングドレス」と同格であるとされ、 「訪問着」と呼ばれるようになりました。
したがって当時は公式な社交着ということで三つ紋を付けるのが一般的でしたが、現在では一つ紋や、 あるいは完全なおしゃれ用として紋を省略することも多くなっています。


未婚、既婚を問わず広範囲に着用することができ、観劇なども格の高い劇場や演目では訪問着が好まれます。
帯は一般的には袋帯をコーディネイトしますが、 訪問着の柄とのストーリー性、古典柄の時代や調子を合わせると上品でセンス良い装いになるでしょう。
また紬地の訪問着や織絵羽の訪問着にはすくいの帯などの 少しカジュアルな帯を合わせておしゃれを楽しむのもいいでしょう。


ワンポイント訪問着や、あるいは留袖や振袖にも用いられる「絵羽模様」というのは、きもの全体を一つのキャンバスに見立てて模様を描くため、 縫い目にまたがって模様がつながります。したがって、絵羽模様を染め上げるときには、一度白生地をきもののカタチに仮仕立てをし、 そこに下絵を描き、またほどいて反物のカタチに戻してから、下絵を頼りに染めます。
 

 

4. 付下げ

付下げは模様が肩山、袖山を頂点にしたとき前身頃、後ろ身頃とも上向きの柄になるように染め上げたきもので、格としてはちょうど訪問着と小紋の真ん中に位置します。
訪問着との最大の違いは、前身頃と後ろ身頃、身頃と袖で、柄がつながっていないので、絵羽模様ではないということです。

戦中戦後に贅沢で華美な訪問着が禁じられたときに、 あるメーカーが開発しました。
生地には一越縮緬や紋意匠縮緬、夏には絽や紗などが用いられます。
その後、大変人気が出てブームになったので、衽と身頃、 衿と胸で柄がつながるように工夫をした「付下げ訪問着」というものも生まれました。
 

 

5. 黒留袖

黒留袖は、一越縮緬で共八掛、黒地に染め抜き五つ紋の絵羽裾模様でミセスの第一礼装(祝儀のためのきもの)。
白羽二重の重ね着が一般的でしたが、最近は簡略化され、比翼仕立てで着用します。
紋は、最高格の日向紋を染め抜きます。(色留袖も五つ紋を付ければ黒留袖と同格)

もともと、結婚をすると(あるいは18歳を過ぎると)それまで着ていた振袖の袖を切って短くして着用しました。
このことから「留袖」と呼ばれるようになったため、おおよそこの袖丈のきものは長い間「留袖」と呼ばれていましたが、江戸時代(寛政~文化の頃)に黒地染め抜き日向五つ紋の江戸褄を既婚女性の式服とする習慣が生まれ、この黒地の江戸褄を黒留袖と呼ぶようになりました。

現在、最も着用されているシーンが結婚式で、新郎新婦の母親、仲人夫人、親族の既婚女性が着用します。

裾の模様は、正倉院文様や吉祥文様といった縁起良く格の高い模様が好まれますが、一般的に模様が大きく、上まであるものは若い方向け、模様が小さく低めのものは年配向けとされています。

合わせる帯は格の高い袋帯で、小物は白か金銀。
 

 

6. 色留袖

色留袖は黒地以外の裾模様のきもので五つ紋を付ければ黒留袖と同格で、比翼仕立てにします。
その他、三つ紋、 一つ紋で作る場合もありますが五つ紋以外は第一礼装ではなく、当然比翼も付けません。

準礼装となりますので、 パーティーやお茶会などに着用します。
黒留袖は既婚女性の第一礼装なのに対し、色留袖は未婚女性も着用が可能な第一礼装です。
 

 

7. 振袖

振袖はミスの礼・正装用の袖丈の長いきもので、袖丈の長さによって大振袖(115㎝以上)、中振袖(95~115㎝程度)、 小振袖(85~95㎝程度)があり、一般的に袖丈が長いほど格が高いとされています。
最も長い125cmのものは花嫁衣装に用いられます。

最近は成人式をきっかけに購入する人がほとんどです。
娘らしく華やかに装うため、袋帯をふくら雀や立て矢結び、文庫結びなど豪華な締め方で装います。

草履も白、金・銀など華やかなものを合わせ、カカトは高くなります。
小物は顔映りの良い明るい色の重ね衿を着けたり、ボリューム感のある絞りの帯揚げ、 少し太組の帯締めなどを豪華にコーディネイトします。

昭和頃までは、振袖には新日本髪を結うのが定番でしたが、平成以降最近では、さまざまなヘアスタイルで それぞれ個性的に装う人が増えてきました。

振袖と呼ばれ始めたのは江戸時代初期の頃で、未婚の女性が着るきものとされ、長い袖は未婚であること、あるいは18歳以下であることを意味しました。
振袖の生地は、綸子、縮緬、緞子が主で、そこに友禅染や絞り染め、型染めに刺繍や箔置きなどさまざまな技法が用いられています。

最近、既婚女性や年配の女性も振袖を楽しむようになりましたが、あくまでも「礼装以外」のパーティーやお集まり、 カラオケ大会などの衣装として楽しんで装うのであって、第一礼装はあくまでも留袖です。
 

 

8. 袴

武道や競技で用いられるものは除き、袴は大学や短大の、地域によっては高校の卒業式の衣装として定着してきました。
袴には、小紋、色無地、振袖などのきものを合わせます。

草履に白足袋というオーソドックスなコーディネイトの他、少し短めに袴を着付け、ブーツを履いたり、長羽織を合わせたりして 大正時代の女学校の雰囲気を出す人もいます。

基本的には袴は黒、紺、緑といった無彩色に無地のものがほとんどでしたが、 最近では裾に染めや刺繍の模様が入ったものや、赤や黄色といった明るい色合いのものも出てきました。

 

9. 打掛

 
打掛は、室町期以降の豪華絢爛な女性の衣装で、主に武家の女性が小袖の上に羽織ったのが始まりで、江戸時代になると大奥の高位の女性がもっぱら身に着けました。

江戸後期から現代では花嫁衣装として用いられ、文金高島田の髪型で装います。
それ以外に、遊郭(島原や吉原)の太夫の正装でもありました。

裾には、「ふき」と呼ばれる綿入れの部分があり、お引きずりで歩くときに裾にある程度の重みを持たせることで、 裾が後から付いてくるように工夫されていますが、現代の花嫁さんは裾をからげて持ち上げ、右手で持って歩くことが多いため、実際に引きずることは少なくなりました。

現在、結婚式は白無垢で行い、披露宴で色打掛に掛け替えるのがオーソドックスな装い方で、打掛を掛け替えると同時に、文金高島田に挿したかんざしも差し替えるのが一般的です。


打掛の代表的な織

引箔織
唐渡来の文様のある織物で、経糸は生糸、緯糸に絵緯(えぬき)糸を刺繍のように浮かして文様を出します。 最高の和紙の上に漆を何回も塗り込み、純金箔を散りばめたものを極細に裁断し文様のあるところにのみに織り込んでいるため、生地が薄手で軽いのが特徴です。

佐賀錦織
約160年前、鍋島藩で作られたのが始まり。和紙に漆を塗り金箔や銀箔を貼り付けて細かく裁断したものを経糸に、色とりどりの絹糸を緯糸にして織り上げます。

唐織
金箔、銀箔などを細かく裁断した平箔をねじれないよう竹べらなどを用いて織り込んだ織物のことをいいます。金や銀特有の光沢が美しく、金襴や帯にも用いられます。

緞子織
経糸、緯糸とも練糸を使用し、朱子織で模様を表した織物。打掛の中では緞子織が最も一般的。

友禅染
元禄時代の扇絵師、宮崎友禅斎によって興った技法です。京友禅、加賀友禅、東京友禅があります。

刺繍
ジャワ・インドには18世紀頃の資料も遺されており、刺繍の歴史はとても古いものです。髪の毛よりも細い絹糸を寄り合わせ、 さまざまな刺し方で独自の光沢や立体感を出す日本の刺繍の技術も大変高いものです。



打掛の代表的な文様

御所解文様
江戸中期から後期にかけて、小袖に用いられた四季の花や木、流水、扇、御所車、楼閣など御所風の風景文様です。

吉祥文様
おめでたい文様を総称して「吉祥文様」といいます。きものの柄はほとんどがこの吉祥文様だと言う人もいるくらい、 多くのきものに用いられますが、打掛では最も顕著です。植物では松・竹・梅・牡丹・四君子などが、動物では鶴・亀・龍・鳳凰など、また道具では貝合わせや貝桶、 扇面などが代表的です。
 

 

10. 喪服

喪服は黒一色と色喪服があり、黒いきものに黒い帯が喪の第一礼装で、喪主や故人の親族が告別式に着用します。
以前は参列者も着用することが多かったのですが、 首都圏などの告別式では、参列者の第一礼装はあまり見かけられなくなりました。

親族以外の親しい知人は、略礼装で葬儀に参列する人もあります。
袷の場合は、光沢の少ない縮緬や羽二重、単衣や絽、紗も。

通夜や法事には色喪服(あるいは江戸小紋)に黒い帯といった略礼装で、これを色喪服と呼びます。
地紋や光沢の少ない縮緬に黒以外の地味な無彩色を染めた一色のきものです。

帯、小物、草履は黒喪服の時と同様に黒を着けるのがオーソドックスですが、色共帯を着けることもあり、格は黒+黒、黒+色、色+黒、色+色の順番で略式になっていきます。

ワンポイント不幸が重なるという意味から、袋帯の二重太鼓を嫌う地域があります。したがって、第一礼装でも名古屋帯で一重太鼓を締めるのです。しかし、黒共帯も、 色共帯も袋帯があり、まったく気にしない地域や、家もあります。

帯の柄
黒共帯は、繻子、緞子、綸子地が多く、地紋は、家紋、菊、唐草、蓮、経文などが多く、無地の中で地紋が際だちます。
 
 
 

織のきもの

糸を染めてから織り上げたきものを「織のきもの」といいます。糸の内に染めるので「先染」とも言います。

きもの イメージ
フォーマル、正装の基本
柔らかく、華やかなイメージ
カジュアルの基本
興味性の高い個性的な着こなし
 
   

 

1. 紬(つむぎ)

紬は全国各地で織られており、織のきものの代表的なものです。
結城紬、大島紬のように地名を付けたものが数多くあります。

絹の元になる繭のなかで生糸にならないくず繭や、蚕が二頭で作り上げた玉繭から紡いだ真綿糸や玉糸が用いられます。
多くは平織りですが、柄は無地だけでなく、絣、縞、格子が最も多く、最近では絵羽模様のものも各地で織られています。

また紬糸を白生地に織り上げた、 紬地の後染め加工のものなども大島紬や牛首紬、白山紬などで増えてきました。
かつては紬糸(真綿糸・玉糸)で織られた布を紬といいましたが、 最近では大島紬のように生糸で織った物も紬と呼ばれます。




ワンポイント紬糸は、繭をいったん袋状の真綿に加工し、手で紡いで糸にした物で、正確に言うと「手紬糸」と言い、代表的なものに結城紬があります。
 

 

2.御召(おめし)

おめし 徳川十一代将軍家斉が好んでお召しになったことから名付けられたといわれる高級絹織物で、正確には「御召縮緬」と呼びます。
強い右撚りと左撚りの緯糸を強く糊付けした「御召緯」と呼ばれる特殊な糸で織り上げたあとに湯もみをし、糸の撚りが戻ろう戻ろうとする力を利用してシボを生じさせた織物で、 シワになりにくく、重宝です。

御召は、「御召糸」と呼ばれる特殊な糸を使って織り上げられます。
縮緬が織り上げてから精練するのに対して、御召は糸の段階で精練をしますので、同じ「シボ」がある布でも その風合いは違います。

代表的な産地は京都西陣と山形白鷹。



ワンポイント小紋というだけに、小さな柄のきものかと思いがちですが、型染めの繰り返し模様であれば、柄の大小にかかわらず、すべて小紋と呼びます。 小紋というととても華やかな印象ですが、紅型、藍型、更紗、絞り染め、臈纈染めなどの技法で染められたものもあります。

袋帯を合わせれば茶席や式の装い、寒色系の無地(地紋のないタイプ)に黒名古屋帯を合わせれば通夜や法事に、 コーディネイトによってはコンサートやお茶会などにも着こなせるきものです。


御召の種類

上代御召
御召緯と普通の撚糸を使った御召で、風合いはしっかりとしています。
中でも紋を織り出したものは「紋上代」と呼ばれます。

上代御召
模様の部分を金銀や色の糸で縫い取った刺繍のようにも見える布です。

風通御召
明治時代に画期的なジャガード機が導入されてから生産が活発になった「二重織」で、模様の部分が表と裏で逆の糸が出るのでネガとポジのように裏と表で 色が逆に入れ替わるのが特徴です。
 

 

3.木綿(もめん)

綿花を手紡ぎや紡績した木綿糸を使用した織物で、日本各地でみることが出来ます。
日本人は古くは麻や葛をはじめとする布を着用していましたが、 室町時代に日本に伝わって以来、日本の気候風土にも適し、北前船の発達も手伝って徐々に全国に広まって行きました。

江戸中期には庶民の最も一般的な衣類として珍重されます。
縞や格子が一般的だった物が、江戸後期には絣柄も織られるようになり、 徐々におしゃれな柄が生まれました。


木綿は肌触りが良く、吸湿性、吸水性に富み、丈夫なことが庶民の間に広まった最大の特徴と考えられています。
また、染料に染まりやすい性質を持ち、中でも藍との相性は抜群で、藍染めを施すことでさらに丈夫さが増します。

一方、縮みやすくシワになりやすいことが欠点です。
また、絹と比較すると滑りが悪く、まとわりつくので裾捌きが悪くなるかもしれません。八掛を工夫すると良いでしょう。

木綿のきものの中で有名なのが国指定の重要無形文化財の久留米絣です。
絹や麻よりも歴史は短いものの、着心地の良さや丈夫さで普段着として長く愛されてきました。

最近ではおしゃれ着として再び人気が出ています。

 

 

4.麻 上布(あさ じょうふ)

麻は、江戸中期に木綿が広まるまでは、冬でも庶民の代表的な衣類で、長い歴史を持ちます。

イラクサ科の多年草である苧麻を績んだ糸やラミー糸を、主に平織りに織り上げます。
天然繊維の中で麻は最も強く光沢もあるので、 古来は「献上布」とされていたため「上布」と呼ばれます。

上布とは上等な麻織物のことです。

麻は通気性、吸湿性、速乾性に富み、シャリッとした肌触りと独特の張りが気持ちよく、また水にも強いので夏のきものとして優れた特徴をたくさん兼ね備えています。
代表的な物に、国指定の重要無形文化財である、越後上布・小千谷縮、宮古上布、そのほか近江上布、能登上布、八重山上布などがあります。


ワンポイント麻の繊維は苧麻の表皮の内側にある「靱皮」から捕ります。苧麻は人の背丈以上に、まっすぐにスクスクと成長することから「麻の葉」の柄が 縁起が良いとされる所以にもなっています。