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花saku編集長Q&A


「花saku」編集長が着物ファンの皆さまの疑問にお答えするコーナーです。
染みの応急措置や、パリ旅行でのオペラ観劇用の着物の相談など、色んなジャンルの質問にお答えします。
Q1.コートと羽織のTPOについて教えてください。
素材や丈、柄行きなど、どのように着分けていくと良いのでしょうか。
A1.いずれも防寒の要素をもちながら、決定的な違いは大雑把に言うと室内に入る際に脱がなければならないのがコート、着たままでも構わないのが羽織(茶室以 外)ということでしょうか。また羽織の方がよりおしゃれの要素が強く、絵羽羽織や小紋羽織と表地はもちろん、羽裏や羽織紐を楽しむことができるのも楽しい ところです。紅葉が色づいたら桜が咲くまで羽織を楽しみたいものです。丈は年齢や身長、体型によって好みで良いでしょう。長くなればなるほどクラシックな 雰囲気ですが、とてもラインが美しいきものの膝裏を隠してしまうのは勿体ないような気がします。

コートの代表的なものは雨ゴートなど特定の目的を持ったものを除けば道行コート、道中着の2タイプですが、きものや帯が透けて見える薄物やウール、紬、ビロードのものもあり、いずれも室内では着用できません。
きものの格や外出先によって素材や色柄を選ぶと良いでしょう。
Q2.30代前半ですが、上司の仲介でお見合いをすることになりました。
今どきのお見合いですので、親の付き添いなしでレストランで食事をする程度のカジュアルなものなのですが、着物を着ようと思っています。
あまり格式張らずに、かといってカジュアルにもなりすぎない着物は? 
A2.いろいろとお持ちでしたら一番好きなきものをお召しになってみてはいかがでしょうか?
正式なお見合いということですと振袖か訪問着をお薦めしますが、ある程度カジュアルということでしたら、ご自分が最も美しく自分らしく見えるきものをお選びになることをお薦めします。
若々しく華やかな小紋などはいかがで しょうか?

ただし、相手の方の装いとあまりにもギャップが大きいとご本人も辛いでしょうし、相手の方もお困りになると思います。
可能なら事前にレストランの格とお相手の服装を確認してはいかがですか?
Q3.足袋を買うとき、靴と同じサイズのものを買っていますか? 
私の場合、足袋によっては靴と同サイズでも小さくてツメの部分がかからなくて窮屈な思いをしたり、同じサイズ表示でも大きいものに当たったときは、指先が余ってフカフカしたりします。 
A3.私は足が普通なのか? 鈍感なのか分かりませんが、どれもそんなに不自由ではないので適当に履いていますが、いずれにしても履いてみないと分からない ことですから、ちょうど良いのが決まるまではまとめ買いをしないことが大事です。
一足ずつ試して、ご自分に合う銘柄を探すことでしょうね。
ご予算があるよ うでしたら、オーダーで足のサイズに合わせて作ってくれるお店もあります。
インターネットで探せば見つかるはずです。
どうしてもオーダー可能の店が見つか らない場合は編集部へ直接お電話をください。
Q4.紅葉の柄のきものや帯、羽織をまとうタイミングは、いつごろからが良いでしょうか。
桜のきものが桜の花が咲くまでが粋とされるように、紅葉のきものも、紅葉前線が到来する前に着るほうが粋なのでしょうか。
ということは今ごろから?ちなみに私は首都圏近郊に住んでいます。
A4.秋分を過ぎたら、少しずつ秋の色柄を取り入れて良いのではないでしょうか。
でも、あまり厳密に考えてお召しになる期間が限定されすぎてしまうよりは、気楽 にどんどん楽しんだ方が良いと思います。
夏でもレース素材や紗の羽織をお召しになっていいんですよ。基本は、ご自分の体感と好みで着たいときに着たい物を 着る!です。
ただし、正装、礼装以外は……ということですが。
紅葉のきものは、日本のどこかが紅葉している間はぜひお召しください。
袷の羽織はまだ暑い のではないかと思いますが、十月の声を聞けば、羽織が楽しい季節です。
脱ぎ着で羽裏を見せるのも楽しいので、そろそろですね。
Q5.着付けは母から教わりましたが、ほぼ自己流です。
雑誌のモデルさんが着ているような、シワ一つないきものの着方って、私にはなんか窮屈そうに見えます。
TPOはあるとは思いますが、やっぱり、きものは、着付け教室に通ってそういうふうに着るのが良いのでしょうか。
A5.個人的には、布ですからシワはあっても良いと思います。
私も自己流で着付け教室へ通ったことはありませんが、自分で色々と研究をして、快適で自分らし い着方になっているんだと思います。
要は崩れ方やシワのよりかたの問題かもしれませんね。
身体は直線ではなく、そこに直線裁ちのきものを纏うのですから当 然シワはよります。
シワよりも、必要以上に衣紋を抜いたり、衿の袷がフォーマルなのに開きすぎていたりというだらしない感じにならないことに気を遣った方 が素敵だと思います。
色々な人の着姿を研究するのも楽しいですよ。
和の生活マガジンSakuraの「街で見かけたきもの美人」のコーナーはそういう意味で 大人気なんです。
プロのモデルにプロのスタイリストが着付けた姿ではなく、普通のきもの美人さんたちがそれぞれ、個性的な装いを披露してくれています。参 考になさってください。
Q6.単衣のきものについて教えてください。
単衣の場合、裾よけの素材は何がおすすめですか?
単衣のきものは、足さばきが悪くていつも困っています。
A 6.裾よけの素材は着るきものや、その日の気温、湿度などによって選んでいます。
例えば、きものが片貝木綿などのような滑らない素材だとすると裾よけはツルツ ルしたものが良いでしょうし、江戸小紋のようにツルツルしていれば、ちょっと汗ばむ陽気の日など、まだ絽の裾よけでも大丈夫です。
私は暑がりなので、よく 滑る素材で透けないときはステテコやキュロットタイプのみという場合もありますし、滑らない素材の時にはあらかじめ仕立ての段階で居敷当てを付けておいた り、胴抜きで仕立てる場合もあり、きものの素材によって仕立てを工夫しておくのも歩きやすくするコツではないでしょうか。
Q7.ぜひ、自分で紬のきものを一枚誂えてみようと思っています。
大島紬、結城紬、久米島紬もいいなぁ~と迷っています。
この3種類の紬の中でしたら、最初の一枚目としては、どれがおすすめですか?
A7.どれも、高級なすばらしい紬ですのでよ~くご覧になって、お店の人の話をよく聞いて、自分が好きな物をお求め下さい。
どれも一生物です。大島紬は生糸 ですのでツルツルとした感じと光沢が魅力ですね。
結城紬と久米島紬は真綿ですので、素朴な風合いが魅力です。大島紬と久米島紬は泥染による泥媒染が特徴。
テーチ木(車輪梅)や、特に久米島の場合は地元に自生する草木を使用していますので自然志向の方にはお薦めかも!? 
久米島紬は砧打ちをしますので、結城 紬より光沢があります。
一方結城紬は日本最古の型の「地機」で、経糸に余分な張力をかけることなく織り上げる独特の風合いが最高の着心地をもたらしてくれ ます。
個人的に私は結城紬派で、単衣か胴抜きで着て、着て、着て、3回か4回洗い張りをして地風が柔らかくなった頃に袷にするわけですが、5年に一度洗い 張りをするペースだとすると、最高の着心地になるまでに20年前後かかるわけですから早く求めた方がいいかもしれないですね。
Q8.夏でも外出はきものです。
でも、身体が固くて、背中に手を回す帯結びがなかなかうまくできません。
「つくり帯にするといいよ」と友人にアドバイスされましたが、大切な帯を切る勇気はまだありません。
私のような悩みを持っている方は、けっこう多いと思うのですが、よい方法を教えてください。
A8.和の生活マガジンSakuraでもおなじみの「楽詩帯」は帯を着ることなく、作り帯のセットが出来るのでお薦めです。
また、帯を切らない作り帯も最近では あるようですので、行きつけの呉服屋さんなどに訪ねてみてはいかがでしょうか。
また、前結びをしてから後ろにクルッと回す着付けもあります。ツルツルした帯板を使うので後ろに回しやすいようです。
洗濯ばさみを使って、事前に帯をセットしておく結び方や、枕の上部分が輪になっていて、あらかじめ底に帯を通し ておくらくな結び方もあります。
色々ありますので、ご自分に合った結び方を見つけて着物ライフを楽しんで下さい。
Q9.この時季、コートやショールを身につけて出掛けますが、いつも、脱ぐタイミングや脱いだ後の始末で迷います。
例えば、和食レストランでお座敷に上がるとき、友人の家に訪問したとき、歌舞伎などの観劇のときなど。
また、帰りに着るタイミングも教えてください。
A9.コートやショールは、洋服と同様に、入退室前に脱ぎ着するのがマナーですが、あまりにも寒い場合や、公共施設(歌舞伎など)ではコートやショールを羽織っ てから外へでるのもやむを得ないでしょう。
玄関先でコートを羽織る場合は「失礼します」のひとことを。
ちなみに、羽織であれば着用したまま室内へ入れます から、脱ぎ着が多い予定の日は、羽織を活用してみると良いでしょう。
Q10.今年の春に結婚したばかりで、この夏、初めてお盆に夫の田舎に帰省します。
お墓参り用に、きものを持っていこうと思っていますが、どんなきものが良いでしょうか。
A10.ご先祖様への初めてのご挨拶ですから、きもので……というのは本当に素敵なことだと思います。
ただ、お墓の様子をよくご主人やお母様に聞いておいてくださ い。
周囲がジャージやもんぺなのに自分だけ「きもの」となると浮きまくり!? になる可能性もありますし、「お墓参り」が「お掃除」メインの場合は率先し て働きたいところです。
きもので大丈夫なようでしたら縮や紗のきものに羅や原始布の帯と言った涼しげでカジュアルな装いはいかがでしょうか? 
日傘をお持 ちになるといいですね。
Q11.8月下旬に1週間、パリ旅行することになりました。
レストランでのディナーや、オペラなどの観劇用にきものを持っていこうと思います。
どのくらいの格のきものを持っていけばいいでしょうか。
A11.団体旅行ならば、本当にフォーマルなところへは行かないと思いますし、外国ではたとえ浴衣でもドレスのように扱って下さるところもありますので、お気 に入りのきもので大丈夫です。
ただ、行き先をよく確認して下さい。多少、格の高いところへ行くようなら絽の付下げや小紋をお薦めします。
ヨーロッパでは友 禅などの染のきものを着ていると大変評価が高く、周囲の反応も抜群です! 
ただし、荷物が多くなるのも避けたいところですから、帯を半幅にするとか、下着 を多少省くなどしてコンパクトにまとめたいですね。
Q12.毎年、地元の花火大会にはゆかたで出かけるのですが、下駄履きが慣れていないので、疲れるし、足の皮はむけるし、帰り道はフラフラです。
下駄を選ぶときのポイントを教えてください。
A 12.お値段次第ではありますが、あまり安価なものだともしかすると履きにくい物もあるかもしれません。
とりあえず、鼻緒の太い物、足に当たる部分の柔らかい 物をお選びになると楽ではないでしょうか。
歯のあるゲタは歩き方にコツがあり慣れないと足が痛くなるかもしれません。また「足が少しはみ出すくらいが色っ ぽい」とは言われますが、慣れていない人はあまり小さな物を無理して選ばない方が無難だと思います。
新品の下駄を花火大会にお履きになるなら、履く前に鼻 緒を手でグッと引っ張って広げ、数日前から室内でスリッパ代わりに履いているとか、近所を散歩するなどして少し馴らしておくことをお薦めします。
Q13.汗取り襦袢を着て出かけたら、汗取りパットの形に合わせて汗疹ができてしまいました!
あと、帯を巻いたおなか周りにも! きものへのシミは防げましたが、これでは次に出かける気になれません。夏はどんな下着がいいのでしょうか?
A13.普段から洋服の時でも着用しているキャミソールは綿で、とてもよく汗を吸ってくれる上に、速乾性、通気性に優れているのできものの時にも愛用していま す。
そのキャミソールが和装ブラ代わり。その上に「汗取り襦袢」を着用しています。
きものの下に着る物は大切なきものや帯を守るためにも、吸汗性の高い物 をお薦めしますが、同時に通気性に富んでいないと汗がこもって汗疹になりますね。
新品は一度水をくぐらせて糊をとっておくと吸汗性も、通気性も良くなるの で必ず洗ってから着用しています。
Q14.友人の家の七夕パーティーに夫婦で招かれました。
ゆかたでも良いと言われたのですが、パーティーなので、ゆかたよりもちょっとおしゃれをしたいと思います。
どんなきものを着るのが良いのでしょうか。ちなみに夫は、夏大島を着ると言っています。
A14.旦那様が夏大島をお召しになるなら、奥様も夏大島かそれに準ずる紬か絽の小紋がよいのではないでしょうか。
彼や夫と出かけるとき、お友達と出かけるときには連れと格やテイストを揃えたいものです。
Q15.今年のお中元は、親しい方には特に、きものを着て、直接、届けたいと思っています。どんな装いを心がければいいでしょうか。
A15.「親しい方」が目上なのか、どういうご関係なのかにもよりますが……。
お世話になった方、あるいは今もお世話になっている方に心を込めてお中元を届けるわ けですから絽の訪問着か付下げ、あるいは最低でも小紋をお召しになると良いでしょう。
意外に雨の多いお中元の時季ですから雨対策を忘れずに。大きめのビ ニール袋や風呂敷、足袋の予備をバッグに忍ばせておくといざというときに慌てずに済みます。
Q16.雨コートは二部式が良いと聞きました。それはなぜですか? 
また素材でおすすめがありましたら教えてください。
A16.家を出るときには雨が降っていないけれど、これから降りそうな日は、上だけを道行きコートのように着用して出掛け、下は持って出て降り始めたら下を着用。
また、外出中ににわかに雨が上がったときには下だけを脱いでバッグにしまえば、きものの丈よりも長いコートを晴れている中ゾロゾロと着ている必要がなくな りますので、そのフレキシブルなところが好まれる理由でしょう。
素材はコート地でよいと思いますが、この時季は紗などがおしゃれではないでしょうか?
Q17.雨の日に出かける際、きものの裾に防水スプレーをかけても大丈夫でしょうか。
A17.防水スプレーの性質や、きものの素材によってはかまわないと思いますが、部分的にスプレーをすると、万が一ずぶ濡れになったときなど、スプレーがかかって いない部分との境界線にかえって大きなシミが出来ることもあります。
また使える素材を調べるのが難しいこともありますので、出来ればきもの専用のガード加 工をきちんとしておくことをお勧めします。
最近のガード加工は風合いへの影響もなく優れているので、帯や半衿などにもかける人が増えています。
Q18.夏は「嘘つき襦袢」が良いと聞きますが、「嘘つき襦袢」とはどんな襦袢ですか?
A 18.身頃の部分が晒し、袖や裾が長襦袢の生地になっているので、この時季は汗を吸収してくれてとっても快適です。
単衣のきものの季節ならば袖は単衣に、夏のき ものでしたら、袖を紗や絽、麻などにすれば、真夏でも着用できます。
もちろん、汗っかきの方は、袖を袷にして冬でも着用することができます。
Q19.私はものすごい汗っかきで、もう、6月くらいから、汗で帯までびっしょりになります。帯周りの汗対策を教えてください。
A 19.京都の舞子さんに教えてもらいました。バストを覆うぐらいの位置で裾よけを巻いて、キャミソールのようにします。
ちょうどその辺りに汗を抑えるツボがあって、汗を抑えられるそうです。肌着代わりにもなりますね。
Q20.きもので友達と食事会をしたのは良かったのですが、見事に食べこぼしをしてしまい油シミをつけてしまいました!
すぐに呉服屋さんには持っていきましたが、今後、そのようなときに慌てないための応急処置を教えてください。
A20.ワイン、口紅、しょうゆ、ソース、そして油……、とにかくシミを付けてしまったら、まず乾いたティッシュで押さえて水分を取ってください。
一般の方ができる応急処置はそこまでで、あとは、呉服屋さんを通してプロの悉皆屋にまかせるのが一番です。
このときに、いつ、何のシミをつけたかを伝えるのもポイントです。特に油性のシミの場合、目の前にあるおしぼりを濡らして、トントンとやってしまうと、プ ロでも落とすことができなくなってしまうことがあります。
なるべく「いじらない」「こすらない」が、シミをきれいに取る一番の近道です。とにかく、一刻も 早く呉服屋さんへ持って行くこと!
Q21.この時季、きものを脱ぐと帯を結んだ周辺にガンコなシワができていて、アイロンをかけても取れません。
隠れる部分ではありますが、次の外出の際にどうしても気になってしまいます。
素人でもシワをきれいにするコツはありますか?
A 21.湿度が増すこの時季、汗や雨などによる湿気を含んだ状態で長時間きものを着ていると、シワができやすく、なかなか取れませんね。
それは、私もいつも経験 しています。そこで、プロにとっておきのシワ取りのコツを教えていただきました。
用意するのはデパートの包装紙か、それと同じような厚さの紙とアイロン。
デパートの包装紙は色落ちしないか、一度濡らして試してからにしてください。
きもののシワの上に包装紙を置き、濡れたふきんで2、3回こすって紙を湿らせ ます。
その上から、アイロンをかけます。濡れた紙を通して届く熱は、とっても高温になるそうで、ガンコなシワも簡単に取れます。プロの悉皆屋さんでも、こ の方法を使っているところがあるそうですよ。
ぜひ、試してみてください!
Q22.太っています。衿合わせや衣紋の抜き加減、お太鼓の大きさ、帯の位置など、すっきりと見える着付けやコーディネイトのコツがありましたら教えてください。
A22.私もかなり豊かな体格です。着るときには下半身をスッキリと。衿あわせは詰めすぎない方がよいようです。
だらしない衿元にならないように、襦袢はキッチリ と着て、きものの衿が鋭角になるようにしてみてはいかがですか? 
私はバストが大きいので、帯はやや低めに、後ろが高めで前が低めに、帯の下をきつく、上 をゆるく締めることを心がけています。
帯締めを少し斜めにするなど、全体の中に斜めのラインを出すとか、同系色のコーディネイトや縦縞を取り入れるとスッ キリ見えるかもしれません。
Q23.雨コートは二部式が良いと聞きました。それはなぜですか? 
また素材でおすすめがありましたら教えてください。
A23.家を出るときには雨が降っていないけれど、これから降りそうな日は、上だけを道行きコートのように着用して出掛け、下は持って出て降り始めたら下を着用。
また、外出中ににわかに雨が上がったときには下だけを脱いでバッグにしまえば、きものの丈よりも長いコートを晴れている中ゾロゾロと着ている必要がなくな りますので、そのフレキシブルなところが好まれる理由でしょう。
素材はコート地でよいと思いますが、この時季は紗などがおしゃれではないでしょう
Q24.兄の結婚式があります。正式には袷のきものだと思いますが、もし、暑い日だったら……、と考えると迷ってしまいます。
単衣のきもので出席するのは良くないことでしょうか。
A24.未婚の方か、既婚の方か分かりませんが、親族の結婚式ならば、第一礼装ですので、袷か単衣かということよりも、留袖か、それに準ずるきものをお召しいただ きたいです。
ホテルや結婚式場は空調が整ってますから、袷でも問題ないのではないかと思います。暑さがご心配ということでしたら、下着を夏物にするとか、 汗とりパットを使うなどして調整してみてはいかがでしょうか?
Q25.衣替えの季節です。袷のきもの、羽織、コートなどのお手入れの注意点、コツがあったら教えてください。
A 25.よく乾燥した日に、直接日光の当たらない、風通しの良いところで陰干しをしたいですね。
衿元や胸元、袖口など、シミや汚れのつきやすいところは日中明る いうちによく点検したいところです。
最後にお手入れ(シミ抜きや洗い張りなど)した時期を考慮に入れながら、シミや汚れのあるものは呉服店などに持ち込 み、相談しておきたいです。
Q26.きもので出かけるのにとってもいい季節ですね。
コーディネイトに、初夏の季節感を出すポイントを教えてください。
A26.寒暖の差が激しいものの、緑が萌えて清々しい季節になってきました。素材は袷でも、色は初夏の雰囲気の色を、柄も初夏の柄を取り入れていくのが王道で すね。
そして、徐々に、帯留やかんざし、履き物やバッグなども初夏の素材に変えていくのがすてきですね。
緑色の帯締をお持ちになることをお勧めします。ど んな色の花でも葉は緑。爽やかで、意外にもどんな色にでも合わせやすいので汎用性が高く便利です。
Q27.妊娠6カ月です。この5月に友人の結婚式があるので、母から訪問着を借りて着ようと思っています(もう普通のドレスが着られないんです!!)。
妊娠中の着付けと帯結びのコツを教えてください。
A27.妊娠経験がないので明確に答えにくいのですが、安定期に入っていますので普通にお召しになっていただいても大丈夫ではないでしょうか。
お母様がご質問者 よりもふくよかならよいのですが……そのアタリがよく分かりませんので、そこは判断ができませんが、身幅はある程度必要ですね。
そのへんのサイズは大丈夫 ですか? きものを着慣れていない方は転ばないように気をつけなければなりませんね。
ホテルなどの毛足の長い絨毯や、教会の大理石のテラスなど、案外歩き にくいところもあります。
腰紐と帯締以外はゆったりと締め付けないように着付けるのがよいでしょう。
また、おそらく足りるとは思いますが、万一、帯が短くなってしまうようでしたら、結ばないで済む帯結びの器具が売っていますので、それを利用しても良いでしょう。
Q28.今年は、ゆかた代わりに絹紅梅のきものをあつらえようと思っています。
絹紅梅のきものはいつぐらいから、いつぐらいまで着ることができるのでしょうか。
また、長く着るための、お手入れのコツなどありましたら教えてください。
A28.7月~8月の盛夏のきものです。
白っぽく上質な絹の長襦袢と足袋の着用をお勧めします。
透け感が美しく、軽くて涼しいきものですので、着心地は抜群で すが、透けるので、ゆかたのように襦袢なしで着用するには不向きです。
脱いだら霧吹きをして裏表両方からタオルなど吸水性の高い布でパンパン叩いておきま しょう。
季節の終わりにはお手入れに出すことをお勧めします。
透けるのが気になる人は、仕立ての時に「居敷当て」を注文しておくとよいでしょう。
Q29.これから汗っかきの私にきものはちょっと辛い季節です。
快適に過ごすための汗対策、おすすめ下着がありましたら教えてください。
A29.私も猛烈に汗かきなので気持ちはよく分かります。吸湿性の高い下着を選んでください。
重ね着をすると暑いように感じるかもしれませんが、きちんと下着を 着た方が結果的に涼しく過ごせます。
裾回しの下にステテコを着用するか、踊り用のステテコ風裾回し(キュロットスカートみたいな感じ)を着用すると、歩き やすく、また長時間座っていても足の付け根や膝の後ろなどの汗がべとつかず、快適です。
Q30.痩せて、すっきり見える羽織ときものの組み合わせのコツを教えてください。
A30.痩せて見えるかどうかはちょっと自信がありませんが、襟あわせを鋭角にすること、帯を前下がりに結ぶこと、裾すぼまりに着物を着付けることが痩せて見 えるためには重要です。
羽織はあまり長い丈のものを選ばず、膝の曲がり具合がよく分かる程度の長さに留めることが、スッキリとした着姿を実現するこつで しょうか。
羽織紐の位置は帯の上ラインくらいに。同系色のコーディネイトは全体がすっきりとまとまります。
好みにもよりますが、シックな色合いの方がスッ キリと見えるかもしれません。
Q31.最近では白以外にいろいろな半衿が出ています。
色の半衿や柄物の半衿を合わせるときの、失敗しないポイントを教えてください。
A31.きものに細かい柄があるときにはすっきりとした衿を、きものに柄が少ないときには小紋柄の衿などといった具合に、全体のバランスで判断するのがよいで しょうか。
まずは、刺繍の衿は豪華なフォーマルに、小紋柄の衿はしゃれものに。顔に近い部分ですから、顔色の悪い人や年齢を重ねた人はあまり地味な衿にし ない方が顔映りが良いでしょう。
他の小物と同様に、きものや帯の一色と合わせることがまずは基本だと思います。
カジュアルなおしゃれものから徐々に楽しん でみてはいかがでしょうか。季節や外出先に合わせてちょっと遊び心を入れてみるのもグーです!
Q32.今年、中学校を卒業する娘の卒業式には、きもので参列しようと思い、無地のきものを友達からゆずってもらいました。
帯は私が成人式の振り袖のときに締めた袋帯を合わせようと思っています。
羽織りはどのようなものを合わせればいいのでしょうか。
A32.お嬢様の卒業式にきもので参列。ステキです。
どうしても羽織を羽織らなければいけないということではありませんが、この機会にお作りになるのでした ら、黒羽織の一つ紋をお薦めします。
正式には三つ紋を染め抜くのがフォーマルとしては正しいのですが、色無地でしたら一つ紋で丁度よいでしょう。
小紋など のおしゃれ着るさらりとした紬地に縫い紋でも今の時代にはいいかもしれませんね。
どうしても黒の無地は嫌だという場合は、小紋柄ではなく絵羽羽織でシック な地色のものをお選びになることをお薦めします。
ちなみに羽織はもともと男性の為のものでした。
明治時代に女性の紋付き黒羽織の着用が許されるようになっ たんです。案外歴史の浅いものなんですね。
Q33.暖かくなってきたら、春らしい小紋を一枚あつらえて街を散策しようと思っています。
で、今、いろいろな小紋を研究中なのですが、同じ小紋でも江戸小紋はまたちょっと違った雰囲気ですね。
江戸小紋にはどのような魅力があるのでしょうか。
A33.江戸小紋は、伊勢型紙による染めの「鮫小紋」「行儀小紋」「角通し小紋」などの柄が代表的な、一色染のきものです。
一つ紋を着ければフォーマルな装い (略礼装)にもお召しいただける、応用範囲が抜群に広い重宝なきものですから、ぜひ早いうちに一枚お持ちになると長くお召しになることが出来て良いでしょ う。
お茶席にも最適ですよ。でも「春らしい小紋」となると京小紋や加賀小紋などの方が直接的に色柄で季節を表現しやすいですねぇ。
お好きな色、お似合いに なる色の江戸小紋をお作りになって帯や小物で春らしさを表現してみてはいかがでしょうか?
Q34.肌襦袢には二部式とワンピースがありますが、その違いはどこにあるのですか?
A34.肌襦袢だけではなく長襦袢にもありますね。
違いは、分かれているかつながっているかだけのことで、お好きな方を利用すればよいと思います。昔は肌襦袢 と裾回し(腰巻きとか、裾よけとも言う)は分かれているのが一般的でした。
その時代は、下履き(いわゆるパンティ)を履いていなかったそうです。時代と共 にきもの着用時でもパンティを履く人が多くなってきましたので、裾回しの役割も徐々に変わってきたのかもしれません。
よく、「初心者はワンピースで も……」と言います。
肌襦袢の衣紋をしっかり抜いて着るのが難しく、また紐の数も増えるのでワンピースの方が楽ということではないでしょうか。
Q35.きものでお出かけするとき、いつも悩みの種になるのが履物です。
はきやすくて、足が痛くならない草履や下駄選びのコツを教えてください。
A35.人によって足のカタチや歩き方の癖が違うので一概には言えないかもしれませんが、草履になれていない方は畳表などの重たいモノよりも、最初は軽いもの の方が無難かもしれませんね。
かかととつま先の高低差が少ないモノの方が鼻緒が食い込まなくて歩きやすいという人もいます。鼻緒は太い方が基本的には楽です。
鼻緒の裏側が柔らかい素材を選ぶのもひとつですね。
ちなみに私は新しい草履を購入したときは、室内でスリッパ代わりに1週間位履いて足に馴染ませてい ます。
Q36.そろそろ桜の季節ですね。桜柄のきものや帯は桜が咲く前しか身に付けることができないって本当ですか? 
お花見には、どんなコーディネイトをこころがければ良いですか?
A36.ものすごく厳密に言えば、きものの色や柄で季節を先取りするのはとても粋ですし、私も心がけてはいますが、そんなことを言ったら訪問着だけでも二十四節 気ごとに必要になってしまいますから現代社会では非現実的かもしれませんね。
もちろんゆとりのある方はぜひそんな装いを楽しんでいただきたいと思います が、とりあえず、季節の先取りは少しずつ、できる範囲で楽しむことにして、桜は日本の花。日本人の象徴ですから四季折々のきものが揃うまでは色々な季節に 着て良いのではないでしょうか。
お花見にはぜひ春の到来、命の始まりを感じさせてくれるような……、ご自分が一番美しく、元気になれる装いを心がけてくだ さい。おしゃれを思い切り楽しんで、自分なりのこだわりのコーディネイトを存分に楽しみたいですね。
寒暖の差が激しい時季ですので温度調整が出来るように 下着を調整したり、薄手のショールをバッグに忍ばせたりすると良いでしょう。
Q37.太っています。衿合わせや衣紋の抜き加減、お太鼓の大きさ、帯の位置など、すっきりと見える着付けやコーディネイトのコツがありましたら教えてください。
A37.私もかなり豊かな体格です。着るときには下半身をスッキリと。
衿あわせは詰めすぎない方がよいようです。だらしない衿元にならないように、襦袢はキッチリ と着て、きものの衿が鋭角になるようにしてみてはいかがですか? 
私はバストが大きいので、帯はやや低めに、後ろが高めで前が低めに、帯の下をきつく、上 をゆるく締めることを心がけています。
帯締めを少し斜めにするなど、全体の中に斜めのラインを出すとか、同系色のコーディネイトや縦縞を取り入れるとスッ キリ見えるかもしれません。
Q38.お正月休み明けの初出勤には、きものを着ようと思っています。
営業職ですので、数軒の得意先への挨拶回りもあります。どのようなきものがふさわしいでしょうか。
A38.新年の初出勤&ご挨拶回りにきものをお召しになるのはいいですね。
年齢にもよりますが、お嬢様でしたら振袖で、少し年齢を重ねていらっしゃる方なら訪 問着で良いでしょう。
ただし、どうしても振袖か訪問着でなければならないということではなく、小紋でも紬でも大丈夫ですよ。
会社の他の方が何をお召しにな るのか? にもよりますね。会社ですから目立ちすぎて浮かないように……という配慮も。
どこかにおめでたく縁起の良い、お正月らしい柄やポイントをあし らってみると良いのではないでしょうか。
Q39.ウールの着尺をいただきました。
新品ですが、保管期間が長かったようで少し匂いがついていますが、シミ・汚れはありません。来年の初詣に着るきものに仕立てるとちょうどいいかな、と思っています。
そうした古い着尺をきものに仕立てる場合の注意点と、仕立代の目安を教えてください。
A39.ウールですから単衣に仕立ててお家でお召しになるのがよいのではないでしょうか。
もし、他にきものをお持ちでしたら初詣には袷のきものをお召しになっ てもよいと思います。
「ファブリーズ」などの簡単な消臭剤を使って陰干しにしてみてください。
それでも落ちないようなら仕立てに出すときに呉服屋さんや仕 立て屋さんに相談してみてはいかがでしょうか? 
仕立代はミシンか手縫いか、国内か海外か? でまったく違ってしまいますので、ご自分で確認するのが良い でしょう。
仕立ての相談をするところがないなら、私が仕立てに出している「きものおたすけくらぶ」をお薦めします。
Q40.今年は夫婦できもので初詣行きたいと思っています。どんなきものを準備しておくといいでしょうか。
また、真冬の夜中に人ごみの中をきもので歩く際に、気をつけることはありますか?
A40.きもので初詣いいですね。うちも毎年お正月は夫婦できものを着て初詣へ行きます。
そう信心深い方でもありませんが、せめて年の初めくらいは衿を正して 柏手を打ちたいと思っています。
昔なら晴れ着を着るべきでしたでしょうし、行き先、立ち寄り先によっても「どんなきもの」が良いかは変わるでしょうが、今 の時代はどんなきものでも良いのではないでしょうか。
防寒対策をしっかりとしてください。手首、足首、首が一番寒さを感じると思います。人混みを歩く注意 点ですか? 
特に思い当たりませんが、籠形のバッグなどはスリに気をつけた方が良いかもしれません。
Q41.お正月の三が日に、会社の上司の家に招かれました。
訪問着、付下げ、無地の紋付……、一番ふさわしいきものは? また、合わせる小物は?
A41.どれもふさわしいきものですから、どれをお召しになっても大丈夫ですよ。
招かれたのはお一人ですか? それとも大勢でしょうか? また、貴女の立場は? 
ご主人のお供で上司のお宅へ伺うのならば、ご主人の装いに合わせたいですね。
大勢で招かれて、もしも下っ端(?)だったら他の方の装いよりも華美になりす ぎないようにすこし控えめな装いを心がけるのも大事な気配りです。
小物もそれぞれのきものに合わせてお好みで大丈夫ですよ。新年のおめでたい色柄を少し意 識してみると素敵な装いになるのではないでしょうか。
Q42.身体が硬くて、帯結びに背中に手を回しているのがつらいです。
特に冬になるといっそうです。こんな悩みを抱えているのは私だけでしょうか。
いい対策がありましたら教えてください。
A42.四十肩、五十肩と、腕は年々上がらなくなるようですね。
若い頃からなれている人は、どこかで帳尻を合わせるようですが、そうでないとなかなかつらいも のがあります。
付け帯、前結び、兵児帯などの中でご自分が納得できるものを取り入れてみるのも一つの手です。
どうしても後ろで結びたいということならば、 着付けの出来ない方でも一人後ろに立っていただくと楽ですね。
両足を肩幅に開いて少し前屈みになるとお太鼓を背負いやすいという人もいますので試してみて ください。
Q43.大掃除の時季です。タンスの中のきものについては、どのようなお手入れをしておけばいいでしょうか。
A43.太平洋側は空気が乾燥しているこの季節、陰干しがてらに新年の準備を兼ねてタンスの整理整頓をしておくことをお勧めします。
畳紙から一度出してすみか らすみまで眺めてあげるだけで、きものに空気が通ります。
お正月に着るきもののコーディネイトを考えながら、大切なきものを取り出してチェックをするだけ で十分なお手入れになりますよ。
もちろん、重大なシミや汚れを発見したときにはすぐにお手入れに出しましょう。
シミや汚れを落とす一番のこつは「早く出す こと」です。こうしてチェックをすることで、被害(?)を最小限に抑えることもできますね。
Q44.コートを誂えようと思います。1枚目のコートとしては、どのくらいの長さ、素材、色目のものを選ぶといいでしょうか。
A44.いいですね~! 一枚目ならば無難なものが良いのではないでしょうか? 
素材はコート地で良いと思いますよ。派手になってしまった色無地や絵羽織等を コートにリフォームすることも出来ますから、行きつけの呉服屋さんに相談してみるのも良いかもしれません。
デザインは一位枚目なら道行きコートが便利で しょうね。色は、カジュアルならお好みで。フォーマルならばぼかしなどでもいいでしょう。
お祝いにも喪にもお召しになるなら紺や鼠などの地味な色目が便利 でしょうが、実際に喪でお召しになることは滅多にないでしょうから、お持ちのきものとの調和を考えながら、お好きな色目で好みのコートをお誂えになっては いかがでしょうか。
Q45.今年のクリスマスはパーティーにはなるべく着物で参加して、注目を集めちゃおう! ともくろんでいます。
着物で、そうしたパーティーに参加する際の注意点やポイント、タブーのようなものがありましたら教えてください。
A45.クリスマスパーティに限らず、忘年会や同窓会など年末年始の集まりにはどんどんきものをお召しになってくださいね。
注意することはさほどありませんが、 会場やパーティの格と、お集まりになる方々の雰囲気などはきものの時に限らず、履き物や、着るものの格に気を配りたいですね。
ホテル、レストランによって は下駄では入れないところもあります。
また一人だけ浮き過ぎないように出席するご自分のお立場をよく考慮すれば、あとは季節感や遊び心を取り入れて個性的 な装いをお楽しみいただいてよいと思います。
クロークがない時のために風呂敷を。
また立食ならばバッグは腕がくぐるタイプがよいでしょう。楽しい年末年始 をお過ごしください。
Q46.来月、娘の七五三のお祝いがあります。
母親として、どんなきものを着るのがいいのでしょうか。
A46.訪問着か色無地に袋帯をお勧めします。
神前で、お嬢様の無事な成長を感謝し、これからの成長を祈願する大切な日ですから、清楚で上品なフォーマルの装 いにしたいものです。
あまりシックにまとめすぎず、母親らしい優しい色合いのコーディネイトがよいのではないでしょうか。
吉祥文や吉祥柄を上手にとり入れ て、母親として子の成長を寿ぐ気持ちを装いにうつしてください。
記念写真も、お嬢様だけでなくぜひご家族全員でお撮りになってくださいね。
きっとすばらし い思い出になると思います。
Q47.この秋は、きもの仲間と歌舞伎や能に行くことになっています。
歌舞伎と能では、着るきものも違うのでしょうか。
演目に合わせてコーディネイトできるほど、きものは持っていないのですが、最低限、気をつけることがありましたら教えてください。
A47.いずれもお好きな装いでお出かけになって構わないと思いますよ。
季節感や演目にあわせたり、ひねったり出来ると楽しいのですが、きものや帯の数がないよ うでしたら、小物などで工夫をなさってみてはいかがでしょうか。
新春は比較的フォーマルな装いや格の高い装いの方が多いように見受けられますが、それ以外 の季節は、訪問着の方もいらっしゃれば小紋や紬の方もいらっしゃいます。
もし、不慣れなようでしたら長時間座っていても苦にならない、着慣れたきものから お始めになってみてはいかがでしょうか。
Q48.呉服屋さんの展示会が好きで良く出掛けるのですが、たくさんきものが展示されていると目移りしてしまい、店の人にすすめられるままに買って後悔することもしばしば。
展示会で上手に買い物をするコツはあるのでしょうか。
A48.多くの展示会にお出かけになっているようでしたら、それだけ目も肥えてきますからだんだん無駄な買い物が減ってくるのではないでしょうか。
展示会にお 出かけになる前に、タンスの整理をしてみてはいかがですか? 
お持ちのきものや帯をしっかりと頭に入れておけば無駄なお買い物はなくなってくるかもしれませんね。
また、本当に好きなもの、気に入ったもの以外は買わないという強い意志を持つことでしょうか。
せっかく購入したのに袖を通してあげないなんて、き ものがかわいそうですものね。
Q49.お花見に誘われたので、すぐに着られるプレタのきものを買おうと思います。
私は身長150cmなのですが、どれぐらいのサイズのものを買えばいいのでしょうか。
プレタのきものを買うときに気をつけることはありますか?
A49.プレタのきものと言っても、各メーカー毎にサイズが違いますからよくラベルを確認した方が良いでしょう。
適応身長が明示されていると思いますのでそれをよ く見てくださいね。よく分からないときにはお店の人に聞いてください。
ただし、150cmとなると丁度良いサイズを探すのは少し難しいかもしれないです ね。
できるだけ近いサイズのものを探し、それでも少し身丈が長いようならおはしょりをするときの腰紐を少したかめにするか、いったんおはしょりをした後 で、もう一度丁度良い位置に合わせて紐で調整をすると良いのではないでしょうか。
Q50.雪が降った日の外出に備えておくとしたら、どんなものが必要ですか?
A50.基本的には雨と同じです。
でも、あまり着慣れていらっしゃらない方にはお薦めできません。
もしも結婚式やパーティーなどでどうしても着用しなければな らない場合、ぜひ到着後の着替えをお薦めします。
雨よりも足下が滑りやすく、歩き慣れていない方には裾が広がらない分踏ん張りがききませんから危険でもあ ります。
普段着のきもので、あえて雪の日を楽しむということでしたら、雨と同様+寒さ対策として「首」と名の付くところ(首筋、手首、足首)を保温してく ださい。
雪の降り方、行き先にもよりますが、個人的には、かなり頻繁にきものを着る私でも転んできものをダメにしてしまったことがあるので積極的にはお薦 めしたくない気分です。
Q51.初詣のきものを準備中です。
半衿も足袋も白がいいと聞きましたが、半衿は、白地に新年らしい色の刺繍が入ったものはマナー違反でしょうか。
A 51.マナー違反ではありません。
強いて言えば縁起かつぎのようなものでしょうか。
新しい年を迎えるにあたって昔はさらの下着や晴れ着を用意しました。
そのこ とから晴れ着の新調とまではいかずとも、せめて衿と足袋はまっさら(真っ白)なものでということではないでしょうか。
私は基本的には衿と足袋は白の主義で すが、新年らしい色の刺繍はまったく問題ないと思います。ぜひきものでの初詣を! 
Q52.冬の温かい下着でお勧めはありますか?
A52.特にきもの専用のものは思い当たりませんが、きものストッキングというのは愛用している人が多いようです。
襟ぐりの大きな温熱シャツを愛用している知 人もいますが、私には暑すぎです。
寒がりの方にはお勧めかもしれません。
きものを着ているとそう寒さを感じることはありませんが、どうしても「首」と名の つくところはさすがに寒いですね。
首はマフラーやショールで衣紋を覆うといいですね。足首はきものストッキング、手首は長目の手袋でしょうか。
Q53.帯留は、材質や形によってTPOがありますか? 
フォーマルなシーンでは、帯留は使わない方がいいのでしょうか。
A 53.フォーマルな場合でもジュエリーを使ったタイプなどの格の高い帯留ならば構わないと思います。
基本的にはカジュアルなものはおしゃれ着に付けた方がよい かもしれません。
黒留袖(江戸褄)、色留の場合は「おしゃれ」よりも、立場、役割が大事な装いとなる場合が多いので避けた方が無難かもしれません。
また茶 席などでは過度な装飾は嫌われます。
私は格の高いジュエリータイプの帯留を持っていませんので帯留はもっぱら小紋や紬の装いの時に、ストーリーや季節や TPOに合わせて、時にはシャレで楽しんでいます。
Q54.初めて、初釜に行きます。
初釜に出席するときの基本的なTPOを教えてください。
A54.初めてということですと、多分一緒にお稽古をしている先輩やお友達がいらっしゃるかと思いますのでよく相談してみると良いと思います。
色々なお茶会が ありますが、初釜というと新しい年を迎えて晴れ晴れと清々しい気持ちの中で釜がかけられ、厳粛な中にも心華やぐ茶会です。
大寄せの茶会の可能性もあります のでよく聞いてみましょう。
色留袖か色無地(地紋のある綸子地)に袋帯で格の高い装いをお勧めします。
お若い方でしたら振袖や訪問着も華やかで良いと思い ますが、伊達衿、重ね衿は避けましょう。
どこかにお正月らしい松竹梅や鶴亀などを取り入れたいですね。楽しんでいらしてください。
Q55.今年、成人式を迎えます。心配なのが新しい草履です。
ゆかたを着て下駄を履いたときはいつも足が痛くなってしまいます。
新しい草履でも足が痛くならないコツ、今から準備しておくことがありましたら教えてください。
A55.新しい草履は、事前に何度か履いておくと良いと思います。
家の中でもいいですし、もし家族の中に少し足の大きな人がいるようなら、しばらく履いてもらっ てはいかがでしょうか。
足が入らないほどきついようなら事前に買ったお店か専門店で鼻緒の調整をした方が良いと思います。
足が痛くなる原因のほとんどは鼻 緒にあると思います。
鼻緒は調整次第でいかようにもなりますので、まずは自分に丁度良い履き心地を知ることから始めてみてください。
下駄は素足ですが草履 は足袋を履きますのでその違いも頭に入れて準備をしましょう。思い出深い成人式となりますように。