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花sakuブログ

第二十二候 「蚕食起桑(かいこおきてくわをはむ)」におすすめの一冊
2020年05月14日

こんにちは。39県の緊急事態宣言が解除となって、次の段階へと進み始めました。
5月も半ば、今年はマスクの蒸れによって、暑さを感じさせられる事態となっています。皆さま体調いかがでしょうか。

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もうすぐ5月20日は、七十二候の暦でいう「蚕食起桑(かいこおきてくわをはむ)」。蚕が起きてきて、桑を食べはじめる、という時候。自粛合間の散歩道でも、まだ色薄く小さな桑の葉が繁り始め、その合間に実が小さく生りかけているのを見つけられました。

  

さて、毎年春に行われる皇室の大切な行事。日本の農耕文化継承のため、その豊作を祈るために天皇陛下が稲作を、皇后陛下が養蚕を代々受け継がれていらっしゃるのです。

 

 継承のご様子 → 宮内庁サイト
 

現 上皇后となられた美智子さまのお蚕様好きは、以前、ニュースでもよく取り上げられていましたので、ご存知の方も多いと思います。その様子がまとめられているのが、今回おすすめの一冊です。

 
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皇后陛下古希記念

「皇后さまの御親蚕」 扶桑社 刊(平成16年発行)

 

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この年も蚕飼(こがい)する日の近づきて

   桑おほし立つ五月晴れのもと

 
  皇后さま御歌 (平成8年「五月晴れ」)


今日のような気持ち良い陽気の日によまれたのでしょうか。

 

「紅葉山御養蚕所」に通われ、お蚕さまたちの様子を愛しく眺めながら、自らも給桑(きゅうそう。桑を与える)や上蔟(じょうぞく。糸を吐き始める蚕を蔟(まぶし)へ上げる)、繭かき(出来上がった繭を蔟から取り集める)などの作業をなさる御姿も掲載されています。

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 ↑ 御給桑の様子。

「皇后さまの御親蚕」第1章より


代々の皇后さまたちによって継承されてきた御親蚕は、形ばかりのことではなく、ここでつくられた小石丸(日本古来種)の繭からとった細繊度の絹糸が、文化財の修復や、外交にまでと実際に役立てられている一連の流れが、多くのカラー写真と共に、細かに書かれております。

 

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↑ 日本画「皇后御親蚕」

「皇后さまの御親蚕」より



Stay Home
週間のうちに、読んでみてはいかがでしょうか。

 

そして、こちらは先日12日に毎日新聞に掲載された「御養蚕始の儀」の記事 ↓↓↓

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平成の皇后 美智子さまから、令和の皇后 雅子さまへと着実に受け疲れているご様子が話題となりました。対コロナ対策で品種を限っての飼育とのことですが、それでもこのような状況下で心あたたまるニュース、うれしいですね。

 

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↑「御養蚕の儀」で行われる孵化したての蟻蚕(ぎさん)に桑を与える「掃き立て」の様子。

「皇后さまの御親蚕」第1章より

 
 

どうか、桑の実が熟す頃には、残る自粛も解除となっていますように。

 

 


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タグ: 皇后さまの御親蚕  花Saku  きもの