和の生活マガジン花sakuでおなじみの、小説家にして扇絵師、足立美術館のアドバイザーも務める多彩な芸術家、吉本忠則先生の作品が、京都の髙島屋さんの6階でお目見え! といううれしいお知らせです。
もっぱら、日本橋の三越での展覧が多いため、関西方面の方にはチャンスが少ないかもしれませんので、今回は絶好の機会です。
本日 11月29日(水)〜平成30年1月16日(火)までと、少し、期間が長いので、ご予定を付けやすいのではないかと思います。コーナーは大垣書店さんのコーナーです。
岸田文雄氏が外務大臣だった時代には、海外の要人へのプレゼントとして吉本忠則先生の扇子を上手に活用してたそうで、ご本人も愛用のセンスはもちろん吉本扇子。高円宮妃殿下もとてもお気に入りだとか。
私もどうしても欲しくて、先生にお願いをしてありますが、なんせ木が多いことで花を選ぶことができません。
個人的にはたおやかで儚げな山野草がとても大好きなのですが、亡くなった母が命の期限に向かっている時に、「あんたを見ているとヒマワリを思い出すわ」と言ったのがきっかけで、なぜか私の心の花がヒマワリになってしまいました。
扇子にヒマワリってどうなの? などと思いつつ、未だに発注できずにもんもんとした日々を過ごしています。どなたかアドバイスをいただけませんでしょうか(笑)
ちなみに、亡くなった母はいろいろな花が好きでしたが、改良されたパンジーやサフィニアをキャラクター系の鉢に植えている近所のお庭に私がキャーキャーしていても「ああいうの、お母さんはあんまり好きじゃないのよね〜」といいつつ、実家の庭の地味なことと言ったら……花が好きじゃないのかとおもいきや、良く見ると、紫蘭、著莪、水仙、水引、金木犀、沈丁花だのと……なんだか私が年齢を重ねて魅力を感じる地味なのが庭の奥で、チラリチラリと季節に応えて花を付けていました。
秋に逝った母が、もう起き上がることも辛くなっていた頃に、日に日に高くなる空を見上げながら「コスモス畑をもう見に行けないわ」と言ったのが家族の心に印象づけられて、「母の好きな花はコスモス」ということになったのでしたが、季節ごとに咲く昔ながらの花々がとても好きな母でした。
吉本忠則先生は、画材として水彩絵の具、油絵の具、顔料、染料、和紙、マーカー、パステルと、さまざまなものをお使いになります。時として、化粧品の口紅なんぞをお使いになることもあるのだとか。なので「日本画」でもないし「油絵」でもない。吉本画以外のナニモノでもないわけですが、花の描き方が本当に美しく、奥行きや空気やそこに吹いている風の気配すら感じさせてくれる作品が多いのが魅力のひとつだと思っています。
間違いなくロマンチスト! かなり重傷なロマンチストでなければ描くことのできない世界だと、個人的には思っています。特に夜の気配や月など、色っぽいことこの上ない。美しい恋をたくさんして、美しい物をたくさん観て、美しい気配をたくさん感じて生きてこられたのだろうと想像をしています。
こんな美しい世界感を描き出す先生に、なんだか「ヒマワリを書いてください」なんて、どうも漫画チックでいただけない。妖艶なのに上品でたおやかでしなやかな画に憧れる私には、どうも画題が「ヒマワリ」じゃしょうがないという気がして、しつこいようですがもんもんとしています。
年々余命も短くなるので、ここはひとつ、いよいよお願いをするか! と思いつつ、もう、やけくその一か八かで「先生にお任せ」っていうのがいいのかもしれません。しかし、どうしよう、何をお願いしようかと、こうして悩むのもまた、特別な扇子を誂える愉しみなのかもしれないなぁ〜などと思います。
関西方面の方、吉本ワールドを直接ご覧になる絶好のチャンスです!
好きな花、トレードマークなどがしっかり決まっている方はオーダーもしやすいですよね(うらやましい)。
会場 = 髙島屋京都店 6階
会期 = 平成29年11月29日(水)〜平成30年1月16日(火)