こんにちは。春らしくなってきました。
皆さま、長年『花saku』をご愛読いただきましてありがとうございました。
また制作にご協力いただきました多くの方々にも、心から感謝申し上げます。
創刊から長い間ご指導いただきました、装賀きもの学院の安田多賀子先生にも、
本当にお世話になりました。御礼申し上げます。
20年以上、『花saku』(旧『Sakura』)の編集に携わってまいりましたが、
ひと言では言い表せないほどたくさんの気づきや学びがありました。
最大の幸せは、日本のすごさを知ることができたということ。
特に3月号で特集した
「日本全国染織探訪 北の風と南の海と」の連載では、
北海道から沖縄まで延べ258カ所を訪ね歩きました。
こんなにも小さな島国に、
多くの世界に誇れる数多くの美しい染織が
存在していることのすごさ、すばらしさを、
総集編を編集しながら改めて強く感じました。
そして、取材をきっかけに知り合えた方々は、
生み出す布と同様に、誠実で心の美しい方、
尊敬すべき方がとても多くて、
その方々と今も親しくお付き合いをさせていただけていることが、
私にとってかけがえのない大きな財産になりました。
「根気の要る職人仕事」も
日本人の特性なのかもしれませんが、
それだけではなく、美意識やセンス、表現力や想像力は、
知れば知るほど、世界の中でまさに誇れるものだと、
私が創り出している訳ではないのに(?)誇らしく感じました(笑)
その土地の歴史、気候、風土、風俗、素材が生み出す
美しい染織の数々を、すべて掲載することは叶いませんでしたが、
3月号の総集編でまとめました。
全国各地へ旅をして歩くわけにはいかないコロナ禍ですので、
旅をするようにぜひ楽しみながらお読みいただければ幸いです。
新潟、山形、石川、京都、九州・沖縄、北関東、東京、その他……
と、こんな感じに分類させていただきました。
こうして並べてみると、ちょっぴり迫力がありますね♪
258カ所の全てを掲載することはできませんでしたが、
私の瞼の裏にはしっかりと取材の日の光景が焼き付いていますので、
折に触れてまたゆるゆるとご紹介する日が来るかもしれません。
冒頭の扉で一部を紹介した小千谷縮の制作風景は、
本誌にも書きましたが、3巻の巻物です。
当然紙面にはすべてを掲載することができませんでした。
すばらしい巻物ですので、ここに掲載させていただきます。
もちろん、巻物なのでつながっているのですが、
残念ながらパソコンやスマホの画面は、
横に長くスクロールすることができませんので、
少しずつ順番にスクロールしてみてください。
上の絵の左端と、下の絵の右端を脳内で合体させていただくと、
長〜〜〜〜〜〜い巻物になります(笑)。
巻物になりましたでしょうか〜?
かつて日本の各地には、
こんな雰囲気の光景が広がっていたのだと思います。
それぞれの土地で。
気づきのもう一つは、「日本人は誰もが着物を好きになる」
というゼッタイの確信です。エビデンスはありませんが(笑)
間違いないと自信を持って大きな声で言いたいと思います。
配属されてくる後輩の多くは、着物は七五三や成人式で着せてもらっただけ。
着物姿で配属されてきた後輩は、後にも先にも、
広く活躍中のエッセイストでイラストレーターのきくちいまさんだけでした。
着物事業部や編集部に配属されますと、
着物のことを知る機会、着物に触れる機会が増えてきます。
すると、必ず、半年後、1年後、遅くも2年以内には
着物を購入しているのです。
相談してくれて一緒にお見立てした子もいますし、
サプライズのようにどこかで着物を購入して
突然、着物姿見せてくれた子もいました。
着物を着るようになる確率が100%ですので、
これは知れば、触れば、分かれば、日本人は間違いなく着物ファンになる!
ということの証です……。
これ、エビデンスになりませんでしょうか〜?(笑)
いや、もしかすると「きものとわたし」の連載、
2月号のシーラ・クリフさん、
3月号の秋乃ろーざさんのインタビューを通して、
もしかしたら?世界中の人が着物を好きになる
ポテンシャルを秘めているのかもしれないという気もしましたが、
ここはまだ確信に至るほどのケーススタディーがありません。
というわけで、最終号の3月号、ひとつ前の2月号と、
期せずして、外国で生まれた女性がきものにはまって
日本人以上に着物を着用している様子をお伝えすることになりました。
これぞまさしく、着物のポテンシャル、明るい未来なのかもしれません。
長くなりましたが、本当に長い間のご購読ありがとうございました。
ご要望があればまた、誌面でご紹介できなかったいろいろな事柄や思いを
ご紹介することがあるかもしれません。
ありがとうございました。
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