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花sakuブログ

青海波 日本の文様勝手に考察(その6)
2020年07月08日

こんにちは。

saku 編集部の大下直子です。

まだらに文様のことを書き始めてもう6回目です。

永遠に続けられそうな程、広く深い考察ですね〜♪

日本の文様って……。

 

全力で気をつける



いやぁ〜、海が恋しい季節がやってきました。
サザンオールスターズの曲をかけたりしたら
私の世代はヤバイですね〜。
しかし、今年の夏は我慢と自粛ですぞ。

海や山を思い浮かべてむずむず、もぞもぞする気持ちを
ぐぐぐぐ〜〜〜〜っと押さえております。

 

不要不急の外出は引き続き
なるべく避けたいと思っていますが……

何か、お買い物に行くのも「それは急か? 要か?」
なんてすぐに考えてしまいます。
東京を中心に首都圏の新型コロナウィルス感染陽性者の数に
ドキドキしている方や、
なんとなく慣れとか、マンネリ化してしまって
気分がゆるんでしまっている方とか、
いろいろな方がいらっしゃると思いますが、
いずれにしても実態がよく分からず、
特効薬もワクチンもないのですから、そ
れぞれが全力で気をつけるしかありません。



暑中見舞いの季節



昨日は小暑でした。
二十四節気で「小」という文字が出てきたら
次は必ず「大」が続いてやってきます。

いよいよ季節は夏。暑中に入りました。
昨日から、東京のお盆、土用、大暑を経て、
8月7日の立秋までが暑中となります。

 

暑中見舞いの季節です。
とりたてて、ハガキなど書く必要もなく
スマホがあればLINEなりメールなりSNS
いくらでも連絡はとれる時代ですが、
時間がタップりあるという方は、
暑中見舞いのハガキなどを出してみてはいかがでしょうか?

和紙ちぎり絵でも、お野菜でも消しゴムでもできるハンコでも、
絵心のある方は絵手紙とか水彩画や俳画などもいいですよね。
そんなとき、このブログの「文様考察その5」で書いた、
鱗文様は厄除けになりますし、
三角のハンコが一つあればいろいろなアレンジができそうです。

もう一つ、今日は、半円さえあれば
いろいろなことができそうな
青海波について書いてみたいと思います。

 

青海波

 

波が、途絶えることなく永遠に寄せては返すことから、
「永遠」を意味する吉祥文様などと、一般的にはいわれます。

seigaiha4.jpg
日本では宮中や、神社、寺院などで
お祝いの時に舞う雅楽に「青海波」というがあります。


鳥兜に常装束、下の襲(かさね)に、
青海波文様の装束を用いて舞ったことから、
文様の名前が「青海波」と名づけられたという
説が有力です。

お祝いの時に舞う雅楽装束だったので、
ごく自然に吉祥文様となりました。
内海の静かな波を表して、
絶え間なく広がっていく波の力と
永続性を長久の瑞祥として賞でられました。

 

前回書いた「鱗(うろこ)」も、
能の「京鹿子娘道成寺」で
蛇になった女性の衣装に見られると書きました。
雅楽や能は、少し勉強できたらいろいろ奥が深くて楽しそうですね。

青海波がよめなくても、
聞いたことがなくても文様を見ると、
どこかで見たことがあるという方が
多いのではないでしょうか。

ものすごく多用されていますし、
日本中が熱狂したラグビーワールドカップでは
ユニフォームやジングルでも
麻の葉などの文様と共に使われていましたよね〜♪


少し年齢を重ねた方は「静海波」
と書くほうがピンとくる、
しっくりくるという方も
いらっしゃるのではないでしょうか。


最近は「青海波」がポピュラーとなりましたが、
かつては「静海波」とも書かれていました。

 

「静海波」というと、
なんだか情景が浮かんできますね。
海なし県もありますが、
それでも日本は島国ですから、
海を見たことがないという人は少ないのではないでしょうか。

 

「静海波」


静かな大海原がイメージされませんか。
ちょっと目を閉じてイメージを膨らませてみてください(笑)

MIZ19819003_TP_V4.jpg 

行きたくなっちゃうからダメかな〜〜〜



打ち寄せる波、力強い海、いろいろな海の姿が目に浮かびます。



実は青海波は遠くカスピ海周辺のササン朝(226−651年)に発し、
中国西域を経て日本に到来しました。
中国の民族文様にもなっているんですよ〜。



ササン朝? 

 

え?

またサザンオールスターズの話?

いえいえ、アラブに滅ぼされた
ペルシャ(イラン)の古い国です。

古代の染織文様や美術は、
ここらへんをスタート地点として、
シルクロードを経て奈良がゴールと考えると、
ちょっと壮大です。

 

着物ファンの方々には興味深いことがたくさんあります。
このあたりの美術は研究者の方もとても多いので
論文も書籍もたくさんあります。

興味がある人は、ネットで検索をしたり、
書籍を探したりして研究してみるとかなりはまるかも?

 

ササン朝の青海波の原形は、
魚や水鳥が見られます。
そしてあまり具象化されていないのです。

中国の唐の時代の銅鏡や高麗の着物に、
ササン朝由来の青海波がよく見られたり、
朝鮮の伝統衣装のチマチョゴリにも
似たような文様が描かれています。

日本では、鎌倉時代の焼き物に青海波を見ることができます。
seigaiha3.jpg
江戸時代になると能装束に用いられたり、
菊青海波とか、雪輪青海波といったように
意匠に創意工夫が凝らされて、
繊細で端正で極められていった感じがします。

seigaiha2.jpg

 

外国から入ってきたものを
そのまま使うのではなく、
自分たちの美意識で整理整頓をして、
創意工夫を加えて成熟させ、
極めていくというプロセスは、
日本人の得意分野なのかもしれませんね。

 

余談ですが、以前、有名企業の電車の中吊り広告で
モデルさんの浴衣姿の半幅帯の青海波が逆さまだと、
SNSなどで「違ってる」「逆さまです」「誰がスタイリストなんだ?」
などと大騒ぎになったことがありました。

私はすてきだったらかまわないかな? 

 

な〜んて思いながら、異論反論激論を眺めていました。


ところで、小紋で順に型を付けていくと
最初から最後まで同じように文様が続いていきますから、
肩山で後ろ側は真っ逆さまになりますよね。

これがイヤだな〜と思ったところから、
袖も身頃も肩山で折り返すように型付けされた
「付下げ小紋」と呼ばれる
ビギナーの方を悩ませる謎の着物が生まれました。


そういう私は、目下、後輩から相談された
「新加賀ってなんですか?」
という質問に悩まされています。誰か教えて〜〜〜(笑)

次々と新しいものを取り入れて、
新しいものを生み出す日本人の
類い希なる美意識と特性がこんなところにも!?

タグ: 青海波    吉祥文様  シルクロード  雅楽