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花sakuブログ

阿波藍に染まる徳島の秋 『花saku』2018年10月号
2018年09月20日

2018å¹´10月号表紙 



念願の特集「いま再びのジャパンブルー 阿波藍に染まる 徳島の秋」本日無事に発行です。ありがとうございます。思わず「発酵です」と書きたくなったりして(笑)



藍が好きになったのは何歳のときだったか? はっきりと記憶に残っているわけではありませんが、物心着いた頃から「藍色」や「青色」が大好きでした。裕福な家庭ではなかったので、私が着たものは弟も着るため(昔はどの家庭もそうでしたね)母がピンクや赤などのかわいらしい色を避けて最初から青色を着せていたという話しは聞いたことがあります。お陰様で男らしくリッパに大きく育ちました(笑)

 

 

 

青い色の服を着ていたからと言って藍が好きになったわけではないとは思うのですが、藍への執着心というか、青への憧憬というのか……とにかく、魂が喜んでいるような気がするんです。

初めて本物の藍瓶を見たのは、久留米の森山虎雄先生の工房でした。『花saku』の仕事を始めた頃か? もしくは呉服関係の仕事ではあったのでその前だったか? 上田のゆたかやの皆さまと、名古屋の問屋の専務さんと一緒に久留米を訪ねたときのこと。ご一緒した方々はもう皆さま引退なさってしまいました。遠い昔のことです。

 

 

 

そこで、息子さんの哲弘さんが見せてくださったのが、お嬢さまのために特別に作った振袖と、お嬢さまの成人式の写真でした。「あぁ、私が着たかったのは、こういうものだったんだ。だから、どこにもなかったんだ〜」ということが分かって、少し着物のことが分かりかけた頃でしたので、1人で苦笑してしまいました。

先染めの木綿の、藍の濃淡の絣模様の振袖など、どこにも売っていないのは当たり前だ〜〜〜と、その頃にはもう、少し色々なことが理解できるようになっていましたが、振袖選びのときは、な〜んかイメージが違うな〜と、なんとなく不思議に思いながら、見せてくださった物の中で好きな色柄を選ばせていただいたのでした。

 

 

 

それから、全国各地の染や織の工房を巡るようになりました。まさか、それがライフワークのようになって200以上の工房を巡ることになるとは! 沖縄、九州から北海道までずいぶん訪ね歩いたものだと、懐かしく感じます。秋って、つい「懐かしい」とか……そんな思いになりますね。なんででしょう(笑)福岡、山形、新潟、埼玉、倉吉、弓浜、出雲……と、藍に関する工房はどこへ行っても「佐藤昭人さんの蒅(すくも)じゃないと」「佐藤昭人さんの蒅を使っています」というお約束のような台詞が飛び出します。佐藤昭人さんのことは、佐藤昭人さんと出会うより前に、ご親戚や全国各地の工房の皆さまから数々の物語を伺って、すっかりイメージが完成してしまったような気がします。

 è’…

 

 

出てくるエピソードはみな、すさまじく、そしてすばらしく……、それを代々続けるエネルギーはどこにあるのだろうと、遠く阿波に思いを馳せながら、いろいろな本や資料を読みあさったものでした。

以前「3K」という言葉が流行りました。若者に人気のない仕事の1番は「3K」だと。「危険」「きつい」「汚い」の頭文字をとって「3K」……。まぁ、人気……ないでしょうね(汗)でも、「蒅」を作るという仕事は、「きつい」を「過酷」に変えて、さらに加えて、惜しみないあふれんばかりの愛情と、強い意志まで必要ということが、今回の取材で改めてよく分かりました。

 å¹´é–“藍


この取材の難しいところは、日程を決められないところ。
桜のロケもそうなんですが、「それは自然に聞いてくれ」という……いつ咲くのか、誰にも分からない。藍もそう。気温や天候と相談しながら佐藤さんが「その日」を決めるのです。藍の機嫌は五感で感じ取ると言います。

 ã‹ãˆã—(藍染め)


命をかけて藍を守り続けた「藍師」佐藤家と、娘婿で「染師」の矢野家を訪ねたこの特集! 藍がお好きな方には保存版になりました。藍は身体にもとても良いとされ、矢野さんのところでTシャツを2枚買って来ました。自分史上最高金額のTシャツです。もったいなくて袖を通せません。でも袖を通さないと健康に良いも悪いもへったくれもないという……

そして、頑張った編集部の子には藍染めのショールを買いました。藍染のきものは色落ちをするけれど、他の衣類に染まってしまうことがない。それが本物の藍だそうです。染めた後も染料が生きているので、洗えば洗うほど、使えば使うほど藍が冴えてくるというので、経年変化を楽しむものが大好きな私は、そんなことも楽しみながら暮らしの中に藍を取り入れていきたいと思うのです。


和の生活マガジン『花saku10月号、見応え、読み応えたっぷりの充実の仕上がりをどうぞお楽しみ下さいませ♪

 





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タグ:佐藤昭人藍染矢野藍秀花saku