このページを編集する

教えて安田先生 きもの塾

第74回 袖をつくる
2014年06月20日

夏のきものは涼やかに着たい。
そこで、涼しくきものを着るためのひと工夫です。
振りから見える袖があれば、衿襦袢プラス袖で、長襦袢を着ていなくても大丈夫。
衿襦袢の見頃を木綿でつくっておけば、洗濯機で洗えるので気持ちがいいですね。
また、ビンテージなどを購入した場合、袖の長さが手持ちの長襦袢と合わないことも。
そんなときにも袖をつくれると便利です。
今回は無双の袖を紹介していますが、単衣も同様に、もっと簡単につくれます。
柄違い、色違いで何枚かつくっておしゃれを楽しんでください。

 裁断し、印をつける

今回は、化学繊維で袖をつくりました。
化学繊維はヘラで印がつきにくいので、色糸で切りびつけです。
絹などの場合はヘラで印をつけてください。

 

1 
袖丈+34㎝(縫い代)×4倍を測り、裁断します。
袖丈が49㎝の場合は53㎝×4倍になります。

 
 

2 
輪を左にし、中表にして手前の布の耳をきちんと揃えます。
肩山が左(輪)、手前が袖口になります。

 

 

3 
下から1㎝に印をつけます。

 

 

4 
袖山に印△をつけ、袖山から測り、49㎝(仕上がり48㎝)に印をつけます。

 

 

5 
合わせたいきものの袖幅+5㎜に印をつけ、さらに袖付の印をつけます。

 

 

 縫う


振り部分を2枚重ね、印に沿って縫っていきます。

1. 図2のAB「袖口」を並縫い
2. 図2のCD「振り」を並縫い
3. 図2のEF「振り」を並縫い
 

 

【キセをかけて仕上げる】

4 
袖耳から1㎝のところを端から縫います。振りも同様に縫います。糸をつなぐときはこま止めせずに5㎝ほど重ね縫いします。
このとき、糸をあまり長くすると、摩擦により、糸が弱くなるので、注意してください。
最後はひと針戻してこま止めです。

 

 

5 
袖口を手前に折り、2㎜のキセをかけて、アイロン(縫い目に沿わず、直線に)で折ります。
振りも同様に袖口とは反対にキセをかけます。

 

 

6
袖下のBFの「裁ち切り」から、ACの「輪」を内側に重ねて、4枚を印どおりに重ねます。

 

 


4枚をピンと揃え、待ち針を打ち、ひと針返して袖下を縫います。

 

 


袖付を持って表に返し、しつけをします。  

 


 しつけをする

1 
袖付けを持って裏返し、二目落とし(大小しつけ)でしつけをします。
袖付けから2cmくらい下からしつけを始め、縫い終わりも袖付けから2cm下で縫いとめます。

 
 

 

2 
袖口もフキを出して表裏同じ糸目でしつけをします。
ここは手でこすれてしまうので、表裏を同じ糸目でしつけます。
袖下は袖口中から針を出し、二目落としでしつけをします。

【注意】

左右ともに同じフキの大きさにしてください。

 

 


袖下のしつけを行います。
袖口中から針を出し、一度袖側に針を出してから、二目落としでしつけていきます。
振りは開き、袖幅の2/3までしつけます。

 

 


袖を付け替えるために袖付けの部分を閉じておきます。
二目落としですが、波縫いでもいいです。

 

 


袖が完成しました。

 
ます