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花sakuブログ

三角が並んでいるだけの鱗文様 日本の文様勝手に考察(その5)
2020年06月24日

こんにちは。

saku 編集部の大下直子です。

まだらに文様のことを書き始めて5回目となりました。

夏至の日食

6月19日(金)に、県境をまたいでの移動が可能になって週末に突入しました。
週末には372年ぶりという夏至の日食ということで、ワクワクと待っていましたが、
残念ながら私が暮らす千葉県市川市は曇天でした。

 

月が太陽の前を横切ることで太陽が欠けて見える現象ですが、
沖縄のほうでは割とはっきりと見えたようです。
次に日食を見ることができるのは2030年とのこと。
その頃には、コロナウィルス感染防止予防注射!
なんてできてるのでしょうかねぇ?

オマケに新月も重なったということで、新月、夏至、日食という三拍子でスピリチュアルな世界の人たちは、いろいろな情報を発信しているようです。私はあまり詳しくないのですが、新月は約一ヵ月(29日)に一度、お月様が新しく始まる日ですし、夏至は昼間が一番長い日ですから、太陽パワーアクセル全開でいよいよ私たちの「ニューノーマル」の始まりかもしれません。

その夜から東京に降り注いだ雨は、止むことを忘れてしまったかのように24時間以上降り続けました。風の強い時間帯もあって、窓の外は嵐のような光景でした。こんな日に網戸をこすっておいたらさぞキレイになるだろうと窓を開けて、自分がずぶ濡れになってび〜っくりしましたわ。

そんなことはともかくとして、雨上がりの空気をマスクをせずに思い切り吸い込んだら、高千穂峡や伊勢神宮を訪れたときのような……、なんというのでしょうね、この感じ? なんだか身体の中の悪いものが全て出て、良いものを入れ替わったような感じ。雨が汚れをすっかり洗い流してくれたのかな〜なんてご機嫌で過ごしました。

そんな風に目に見えないものに影響されるのは日本人だけでしょうかねぇ? たったひとりの神様に祈りを捧げる西洋と違って、八百万の神様がいますから、特に自然や気象に対する感覚は少し他国の人よりも鋭敏で、なにか違うのかもしれませんね〜。

そんな中、いよいよ動き始めた新しい日常と、憎きコロナウィルスとなると、なんとなくお守りとか厄除けとか、ずっと甘エビだと思っていた、今あちらこちらで話題のアマビエさまにもついている鱗についてまたまた手な考察を。

 

鱗(うろこ)

三角形をいくつも、その頂点を合うように組み合わせて配列した文様で、魚や蛇の鱗に似ているためにこの名があるといわれています。

IMG_5240.jpeg

これは、私がもう何年も愛用している水持産業さんの金襴の帯。

 

ちなみに、カタチや大きさの同じ文様を整然と並べて、
その文様の部分と地の部分の色を交互に替える文様の構成は
「入れ替わり文様」というんですよ〜。市松もそのお仲間ちゃんでーす。

 

で、その鱗文様ですが、
実は、蛇でも魚でもないよ
っていう節があるんです。
三角が並んでいることには変わりはないんですけどね。
実はこれ、龍の鱗説が有力♪ 私もそっち派(カッコイイから)

そう、北条時政の龍神伝説に由来しているんです。
なんと舞台は江ノ島。


ラーラーラーララララーラーラー♪ 
って、サザンオールスターズの音楽が流れてきそうなあそこ。

 

青春の思い出とかある方……けっこう多いのではないでしょうか〜? 

 

私の江ノ島の青春の思い出は、お問い合わせをいただいたらお答えします(笑)ヒントはなし。

そこに江島神社ってありましたでしょう?
あれ? 青春に夢中で記憶にないですか?
その江島神社の御神紋は、波に鱗なんです(わりと好きな紋)。

むかしむかし、北条時政が、江ノ島で願をかけました。
幕府草創の頃のお話しです。子孫繁栄を祈ったんですって。
そうしたら二日目の夜明けの頃、
時政の誠意を感じた龍神が現れて、
子孫は永く反映すると言い残して、
三枚の鱗を落として海の中に消えました。

その鱗を時政が並べて家紋にした! 
っていうことで、
いろいろなところに蛇だ、魚だと出ていますが
実は、龍神様の落とし物だった?
(蛇や魚も間違いじゃないです)



建長寺さんや、円覚寺さんを訪ねることがあったら、
あちらこちらにミツウロコを見つけることができますので
ぜひ、そんなことも楽しんでみてはいかがでしょうか?

ちなみに、このミツウロコはちびまる子ちゃんでもおなじみですね〜。

島と言えば、佐渡島(なんで 笑)。
20年くらい前まではオートバイで全国各地を放浪していましたので、
テントとシュラフを積んで佐渡島を巡った思い出があります。

その佐渡を拠点に世界的な活躍をしている太鼓芸能集団の
鼓童

大好きでたびたびコンサートを訪れていますが、
その鼓童の衣装が藍染の鱗文様白抜きというセンスの良さ。
ああ!と思い浮かぶ方は、太鼓ファンか、日本の伝統芸能ファンか?


さて、話を戻しまして、北条家以前に鱗文様はなかったか? 
というとそんなことはなくて、
弥生時代の銅鏡や土器などにも描かれているんです。

なんせ、三角を三つ書いたら、
四つ目の三角がまん中に自動的にできますからね。
昔の人もカンタンに描けちゃう(笑)

で、出土したそれらの文様は鱗ではなくて、
鋸歯(きょし)文って呼ばれております。
ま、ひと言で言えば「ギザギザ文様」ですね〜。

古代、三角形の連続文様は、
病魔を表すと同時にその病魔や悪霊を祓うものでもありました。
そこからの、厄除けには鱗文様!ということにわけなんですね〜〜。
歴史長〜い!

能や歌舞伎においては、鬼女や蛇の化身の衣装に使われますよね。
源氏物語の六条御息所の怨霊とか、
道成寺の執念の蛇身とか……
ただの鬼女や蛇というより、
最強の……なんだかものすごいエネルギーを感じる、
ただごとでない迫力をかもします。

女性の厄除けの文様として有名なのは、
コロナウィルスみたいな外からやってくるものではなくて、
実は自身の中に棲む鬼……、
それは嫉妬だったり恨みだったり……
そういうものを戒めるという意味で、
女性の厄除けにといわれたのではないかと思うのです。

誰でも六条御息所になり得るポテンシャルを秘めているんですね。

佐々木希さんはエラいぞ!って話です。
もしかすると鱗文様のものを身に着けていらっしゃるのか?



さて、六月です



梅雨時で水がたっぷりなのに水無月とはこれいかに?

田んぼに早苗を植えて「農のことども皆つきたる故」が語源とか、
旧暦の水無月は水泉涸れ尽きたるからとか、
そんなことをいわれていますが真実やいかに?

そんな中、各神社では夏越しの神事が行われます。
茅の輪をくぐって半年のけがれを祓い、
これからの半年の無病息災を祈願します。

夏越の祓(なごしのはらえ)とか、
水無月の祓い(みなづきのはらい)と言われる行事。

今年は並々ならぬ気合いを入れて

臨まねばなりませんぞ〜!

 

さて、そんな六月は鶴屋吉信さんの「夏衣」も、
茶会の練り切りの「紫陽花」もすてきですが、
六月は「水無月」で〜す。


S__102744114.jpg
というわけで、加賀友禅大使の塚谷彩子さんがLINEしてくれた

美味しそうな水無月の写真が今回のブログのイメージ写真。

なんと水無月も三角なんです。

三つ並べてミツウロコにして全部召し上がれ〜♪

 

タグ: 水無月    龍神  夏越しの祓  茅の輪くぐり  鼓童